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2006年8月11日 (金)

しんちゃん、いっぱいいっぱいの、その先へ・・・

今日から、二幕の立ち稽古が始まった。

二幕はとにかく、ほとんど葛山さんと久世さんのシーンだ。
しんちゃん今日も始まる前から死にそうな顔だ。
生きろ。

私は、今日はできるだけ、演出・山田から、一番遠い席に座ってた。
山田の側によりたくない。
こんな時、円形劇場は便利だ。

稽古中、演出席のない演出・山田が、
ぐるぐる舞台の周りを動いている。
おまえは、クレーンカメラかよ。
お客様は、固定カメラになりますが。

私が座ってる席の後ろを通りかかり、
「この席、ストレス?」
と、演出・山田が、訊いてくる。
円形だから、たまに、芝居を後ろから見ることになる時もある。
その時、見えない部分があって、見てて不満があるかという意味の質問です。
帝劇演出家の専門用語らしいです。
・・・帝劇にストレスなんてあるのか?

「いいえ、何も不満はないです。素晴らしいものが見られます」
と答える。
それはほんとだ。
その時に、芝居的には、正面になってる席からは見えない、
すげえ面白いものが見られる席だ。

山田が、近づいてくることだけが、
ストレスなんですけど。

とにかく、一生、しんちゃんのんちゃん稽古のみ!
だから今日もしんちゃんは、
いっぱいいっぱいです。
ていうか、もう、いっぱいいっぱい以上みたいです。
台詞が入っているかどうかすごく不安な顔です。
台詞が耳からこぼれ落ちないように、静かに歩いてます。

背中を向けて、外の景色を見ながら、
愛の言葉をつぶやくるエリオット(葛山しんちゃん)に、
アマンダ(久世のんちゃん)が、後ろから近づいて、
しんちゃんの肩にもたれる場面なんですが・・・

物憂げに、遠くを見てるしんちゃんに、
久世さんが、近づくと、
すげえ、かっこいいポーズと顔のしんちゃんは、
愛の言葉をいう代わりに、
いきなり、くしゃみしました。
久世さんは、もう床に倒れ伏して笑ってます。

カッコいい顔で、カッコいいポーズを決めて、
背中を向けた超カッコいい芝居中のしんちゃんに、
愛の言葉のかわりに、
いきなり「へくちん」とか、
くしゃみカマされたら、
久世さんも笑い死ぬしかありません。

ていうか、稽古場中が、笑い死にです。

しんちゃんだけが困った顔で、
「すみませんすみません。ほんとすみません」
と必死に、全方向謝罪している。
稽古が5分くらい、
しんちゃんのくしゃみが引き起こした、
皆の笑い待ちで、止まる。

しんちゃんは謝り続けてるが、時折、
「へくちん」と可愛いくしゃみも出る。
そのたびに、笑い待ちが延長されていく。

結果、ロスタイム15分になる。
その「へくちん」は遅延行為だ、しんちゃん。
故意じゃなくてもな。

しんちゃんのんちゃんが、
二人でソファに座って、ただただ、いちゃつくというシーンでは、
しんちゃん、いっぱいいっぱいのラインを超えてしまいました。

なんかもう、いろんなことを一度にしようとしては、
結果何もできなくて、
久世さんにすがるような目を向けてフリーズしてます。
(あんな至近距離で、葛山さんに、
すがるような目で見られて、平然としてる久世さんもすごいが)
台詞を言い、久世さんといちゃつきながら、
次の段取りに移ろうとするが、
そんなことは、今のしんちゃんには、まだ一度にできない。
至近距離で、久世さんにすがるような目を向けたまま、
完全静止です。

で、こんなに顔近いのにフリーズしてては、駄目だと気づき、
とりあえず、体勢を変えようとしたら、
自分の右足が自分の左足にからまってしまって、
(長いからな)
結果、久世さんのお膝の上に、しんちゃんの頭が落下してしまう。
久世さんに、
「ごめんなさい」と謝ろうとして、
謝ってる場合じゃなくて、
台詞を言う場合だったと素早く気づいくのだが、
結果、
「ごめんなさい」のトーンで、
「僕も大人になった」とか言ってる。
大人じゃない。
子供だ。

で、一言台詞を言ってすぐに、
久世さんを抱きしめなくてはいけないのだが、
足がからまったままなので、
抱きしめようとしたら、
今度は、頭が久世さんの肩に激突してしまった。
「ごめんない!」と叫んで、跳ね起きるが、
長い足はまだ絡まったままなので、
最終的には、ソファから落ちていく。
「ごめんなさい・・・」と床の上でもがきながら、まだ謝っている。

まず、足をほどけ。

演出・山田が、
「かわいい~! しんちゃん、かわいい~!
しんちゃん、持って帰りた~い! しんちゃん、かわいい~!!」
と言っている。
それは駄目出しじゃない。
山田個人の感想だ。
が、珍しく山田が本当の気持ちを言っている。

足がからまったまま、
今度はしんちゃん、
演出・山田に「すみません」と謝る。
山田はにこやかに
「いいんですよ~。面白いですから。
それより何より、しんちゃん、可愛いですから」

しんちゃん、山田を悩殺だ。
山田を悩殺して、どうするつもりだ、しんちゃん。

いいから、まず足をほどけ。

・・・やっと、休憩になった。

山田が、
「明日飲みに行きましょうって、西様、言い出してくれないんですか」
と言っている。
西様は、稽古がないが、
ブログの稽古場レポートを書くために、
一同を観察しに来ている。
でも、ただボーっとしてたかもしれない。

その証拠に、西様は、何が話題になってるのか、判ってない。
「は?・・・え?・・・何がですか?
飲みに行くんですか?・・・僕も行きたいな・・・え?・・・言い出す?
誰が言い出したんですか?・・・僕が?・・・言い出してませ・・・
あ、言い出せって話なんですか?・・・なんで、僕があえて言い出せ・・・
ああ・・・そうですね。出番はまだ・・・でも、台詞が・・・え?
・・・そうか、確かに稽古はしてないけ・・・でも、別に僕・・・え?・・・
皆さん、飲みに行きましょう」
西様を話の輪に加えるためには、
もう一回同じことを最初から話さなくてはならない。

まだ次に出てくるまでちょっと間がある、
西様と衣ちゃんが、
幹事さんということになった。

詩梨ちゃんは忙しい。
フラ語の勉強中だ。
フランス語のあとには、ポルトガル語を習得しなくてはならないし。
なぜだかは、不明だが、
演出命令だから、
ポルトガル語を勉強するしかない。

なので、西様と衣ちゃんが幹事だ。
  
私は、明日は、オシムジャパンでも反町ジャパンでもなく、
・・・Jリーグはあるけど・・・
マジで、仕事だ。
ほんとに仕事だ。
稽古に来ない。
お食事会にいけない。

「明日は、稽古が順調に進んでるご褒美に、
ものすごく、おいしいもの食べましょう!」
山田は心底嬉しそうだ。
私が行かないのが、そんなに嬉しいか。
おそらく、帝劇を演出した者しか入れないようなお店に、
ものすごく美味しいものを食べに行ってしまうんだろう。

悔しくなんかねえよ。

衣ちゃんが前に東京乾電池のベンガルさんに、
連れていって頂いたという、
おいしい韓国料理のお店に行くことになる。
が、衣ちゃんは、それがどこにあったのかわからない。
「ベンガルさんに、訊いてみれば」と久世姐が言うが、
「は?・・・え・・・それは・・・」
と、衣ちゃんは必死でベンガルさんに電話するのを拒んでいる。
「あの時のおいしいお店はどこですか?」
とベンガルさんに訊くために電話するのは、
大変なことらしい。

衣ちゃんは、
自転車に乗って、
店をロケハンしに行ってしまった。
ベンガルさんにお電話をするよりも、
自分で行く方が楽らしい。

ロケハン衣ちゃんから、
「明日は店が混んでて、予約ができません」と西様に、泣きの電話が入る。
「・・・えー?・・・困ったねえ・・・困ったんだよねえ・・・
僕も困ってるんだよぉ・・・それは、どうしようかぁ・・・
混んでるのなら、入れないよねえ・・・・えーと・・・
どうしたらいいんだろう・・・・え?・・・衣ちゃん、そんなこといいよ・・・
しなくていいよ。だって、大変じゃん・・・え?・・・
そうだよねえ・・・そうかあ・・・そうしようか・・・どうしようか」
結局、どうするんだ。早く決めてやれ。
衣ちゃんは外で、ロケハン中だ!

きっと、山田が、
帝劇のミュージカルを二ヶ月続けて、演出した者しか入れないような、
ものすごいセレブな店とかに、
皆さんを連れて行ったりするんだろうな。
でもって、何料理か知らないけど、
シェフが挨拶に来て、
「帝劇演出家の山田様とご一同様、ご来店ありがとうございます」
とか言われて、
「シェフ、今の稽古場のメンバー全員連れてきましたから、
今日のおすすめを適当に見繕ってください」
とかって、私には想像がつかないおいしい料理を食べるんだろうな。
勝手に行くがいい。

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