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2006年11月18日 (土)

途方

飛行機に間に合うかどうかかなり微妙になってきたので、
パスポートと航空券と財布と、
あと、スピーチ原稿だけ確認して、
あとは適当にぶち込んで家を走り出た。

走り出たと言っても、
荷物が重いから、
走っているのは気持ちだけだ。

私は、キャスターがついたスーツケースは苦手です。
朝の混雑電車に乗ると、
肩身の狭い思いをするし、
行く国によっては、
ゴロゴロ転がす奴だと、
頼んでもいないのに運んでくれるポーターさんに、
勝手に奪われて、
チップを差し上げるまで返して貰えない可能性が高い。

だもんで、
私は、デカイスポーツバックみたいなので、
大概どこにでも行く。
肩にかけるので、奪われないのはいいが、
自宅近所でも、
ゴロゴロ運ぶことはできない。
背負うしかない。
すげえ重い。
気持ちは走るが、
実際の速度はのろのろだ。

成田エクスプレスは、
大概当日は、満席になってるので、
上野まで行って、京成線に乗る。
一番早いのは、スカイライナーじゃなくて、
特急でした。
8時53分京成上野発。
これ多分、10時過ぎるんじゃないかな。
飛行機が飛ぶのは、11時20分だ。
さらにギリギリ感が強まってきた。

でも、電車の中では、なすすべもない。

寝た。

成田到着はやっぱ10時過ぎ。

またも走る。
気持ちだけ。

チェックインカウンターに、
のろのろと走りこんだら、
「JAL725便ジャカルタ行きにご搭乗のお客様は、
さっさとチェックインしろよ」
とアナウンスしている。

ほんとギリギリだ。

ここでパスポートとか航空券忘れてたら、
面白いことになるところだったが、
それらは持ってた。

が、時間はない。
搭乗が始まってしまっている。

荷物は預けたので、
出国手続きコーナーを走りぬけ、
そして、
最低限しなくてはならないことだけした。

それは、
免税店で煙草を買うことだ。
日本を出る時の一番のメリットは、これだ。

セーラムライト、1カートン、
2300円だ!!

免税じゃなくて買うと3200円だ!!

ものすごく税金を払って、
日本国に貢献してるじゃないか、私。
こんなに高い税金払って、煙吸ってるなんて、
馬鹿げた話だから、
煙草やめよう!
・・・と思う。

同時に、
「『ターミナル』のトム・ハンクスや、
『パリ空港の人々』みたいに、
空港に住みたい」
・・・とも思う。

そんなこと思ってる場合ではない。

搭乗口は98番ゲート。
一番遠いゲートじゃないか!!

また走る。

98番ゲートの手前に、
最後の喫煙室があった。
まだ飛行機が飛んじゃう時間ではないはずだし、
私が乗るまで待っててくれるはずだ。
遅すぎる場合は、
放送で、名前呼ばれるから恥ずかしいが、
それよりも最後の煙草を吸おう。
あさましいぞ、自分。
人として駄目だな、喫煙者は。
他にも何人かいたけど。

あさまし部屋を出て、ゲートに走る。

すでに搭乗が始まってる。
女性劇作家国際会議に、
一緒に参加する、
吉田小夏さんとは、
まだお目にかかってない。

とりあえず、一人でいる若い女性を探してみるが、
けっこう何人もいる。
判らない。
多分、もう乗ってるんだろう。
だって、私がほぼ一番最後に乗った人間だし。

ようやく席についた。
お隣は、若い可愛い女性だ。
吉田さんかなあ。
でも、席がかなり後ろだし、
私は、ギリギリでチェックインしたから、
多分ここになったと思うので、
違うかもしれないよなあとも思う。
迷っているうちに飲み物とか出てきて、
声を掛けるタイミング逸した。
ご飯食べながらも、
「この人は吉田さんなのか、
吉田さんじゃないのか」
ずっと考えていた。
考えてはいたけど、
もうすでにタイミングを逸したので、
意味がない。

仕方ないので、
映画観ることにした。

私は、行きの飛行機の中では大概寝られない。
去年、スペインに行った時は、
「宇宙戦争」を二回も見てしまった。
あと、もう一本観たが、何見たか忘れた。

お!
「パイレーツ・オブ・カリビアン」やってる。
是非とも観る。
ジョニー・デップが、
本当の目の三倍くらいのアイライン描いてる。
上下合わせたら、目が六倍くらいある。
もはや、メイクではなく、
ペインティングだ。
ペインティングの上にさらにペインティングしてるシーンもあって、
何が何やら判らない。
でも、けっこう好きだ。

「日本沈没」も観ちゃった。
子供の時に「日本沈没」観た時は、
すげえ怖かった。
子供だから「日本が沈没するわけがない」
とは、とても思えない。
博士が出てきて、
なんか科学的っぽいデータを持ち出して
「日本は沈むのだ!」と力説するし、
実際日本て地震多いし。
「沈んだら、溺れる・・
外国に逃げても、言葉が話せないから生きていけない・・・
滅亡するしかないんだ・・・」
とめちゃめちゃ怖かった。
随分大人になったので、
今回は、さすがに怖くなかった。
しかも、昔バージョンは、
日本が沈没するのに任せてたが、
今回は、何とか阻止しようとする。
阻止できるのか?
そっちに根拠がないような気がする・・・・

映画二本観ても、
まだ着かないし。
寝られないし。
飛行機の中、すげえ乾燥してるから、
呼吸するの苦しいし。
だから、水スプレーは、必需品だ。
スプレー一本使いきりそうになったが、
まだ到着しない。
ふと思いついて、仕事してみようとした。
眠くなった。

・・・そしたら、着いた・・・

そんなもんだ。

イミグレーションを出たら、迎えの方が来てくれているはずだ。
こうなったら、こっちのもんだ。
さらに、イミグレーション出た途端に、
なんと喫煙所がある。
ありがてえ。
日本人オヤジたちが、
五人くらいで煙草を必死で吸っている。
あさましいな。
私もだが。

イミグレーションの中で会えなかった場合は、
到着ロビーのマクドナルドの前あたりに来て下さってるという連絡だったので、
マクドナルドの前まで出てみた。

そしたら、いきなりインドネシアの方々が、
どんどん声掛けてくる。
「リョーガエ~! リョーガエ~!」
両替はしない。
声掛けてくる場合は、レートが悪いことが多いからだ。

「タクシー? タクシー?」
タクシーはいらない。
迎えに来てくれる人がいるからだ。

「ノーホテル? ノーホテル?」
ノーホテルじゃないから大丈夫なんだよ!!

しまいにゃ、
「ヤマモトですか? ヤマモトですか?」
と訊かれる。

ヤマモトじゃない!!

「タナカですか? タナカですか?」
タナカでもないんだよ!!

私は、日本人の迎えの方を探したが、
見つからない。
待ち合わせ場所が違うのかと思って、
ロビーをうろうろしてみると、
後ろから、インドネシアの商売人たちが、
ぞろぞろついてくる。
「タクシー? タクシー?」
「ホテル? ホテル?」
「ヤマモトですか?ヤマモトですか?」
だから、ヤマモトじゃないんだってばよ!!

しばらく待ってみたが、迎えの人は見つからない。
到着した人々が去ってしまったので、
仕事をゲットできなかったインドネシア観光産業の人の群れが、
またも群がってくる。
「タクシーはいらないし、ホテルもいらないし、
大体、ヤマモトじゃない!!」
と怒鳴ってみる。
皆、怖がる。

と、ちょっと離れたところに、
日本人の若い女性が立ってる。
やはり、インドネシア観光産業の皆さんに囲まれている。
飛行機で、私の隣にいた人だ。
やっぱ、あの人が、吉田小夏さんだったんだ!

私は、荷物を背負って、よろよろと近づいて、
「吉田さんですか? 飯島です」
と名乗ってみた。
「やっぱり、飯島さんだったんですか!」
吉田さんであった。
乗った時に声を掛けていればよかった。

ふたりで手を取り合って、
ほっとした。
これで、
吉田さんとはお目に掛かれた。
が、迎えの人に会えない。

「会えませんね」
「いませんよね」
「ここですよね」
「マクドナルドの前ですよね」
「会えなかったら、とりあえず、タクシーかなんかで、
ホテルにチェックインしちゃいましょうか」
と、私が言うと、
吉田さんが、
「あちらにいる日本企業の方が、
インドネシア語もすごく話せて、親切なんです。
もし、迎えの人に会えなかったら、
送ってくれるって仰ってるんです」
と言う。

日本企業の方が、日本からきた同僚の方々を、
迎えに来ていたらしいのだが、
途方に暮れている私たち二人を哀れに思ってくれて、
送ってくれると仰る。

「迎えがくることになってるし、
もし、会えなかったら、タクシーでホテルまで行きます」
と言ったが、
「女性二人を残して去るわけにはいきません!」
と、きっぱりとかっこよく仰って、
なんと、チャーターしていた車の一台を、
私たちにくれたのだ。
「このドライバーさんは、信用できるから、
この人にしか、ついて行っちゃ駄目だよ」
と、さっさと私たちを車に乗せてしまう。
無口な、ていうか、多分インドネシア語しか話せないドライバーさんは、
どんどん、荷物を車に積んでくれてる。

ありがとう・・・
地獄に仏・・・
ジャカルタで、日本企業の方・・・
涙出そうになりました。

ホテルについて、
「いくらですか?」
と訊くと、
ドライバーさんは、
お金はいらないという。
日本企業の方が、すでに払ってくださっていたのだ。

本当にありがとうございます。
会社名を出していいのか判らないから、
書かないけど、
日本企業のほんと親切で太っ腹でかっこいい皆さん・・・・

やっとホテルにつけた・・・

Hotel Hyatt Aryaduta、だ。
ホテルハイアットまでは読めるが、
Aryadutaが、まだあんまりちゃんと言えない。
アリヤドゥタだと思うが、
ドライバーさんとかの発音だとちょっと違う感じもする。

まあ、いいや。
チェックインできたし。
ここにいれば、連絡がくることだろう。

お腹すいたが、周りの地理がさっぱり判らないので、
ホテルの中で、吉田さんと一緒に、
ご飯食べることにする。

イタリア料理に行ってみたら、
なんかすげえ高級そうで、
敷居が高かったので、やめた。
日本料理に行ったら、
敷居は低いが値段は高い。
鉄板焼きがメインみたいだ。
きつねうどんかなんかが、
一番安いが、
6万ルピアとかだ。
これは、1500円以上だと思う。
まだあんまり判ってないから、
電卓計算だけど。
きつねうどんに1500円以上はない。
ありえない。

結局、カジュアルっぽいカフェレストランに入って、
吉田さんは、ミー・ゴレンを、
私は、ナシ・ゴレンを頼んだ。
やっぱ、一応、インドネシアに来たんだし。
それから、スイカジュースがおいしそうだったので、
頼んでみた。

スイカジュースはすげえ美味しい。
やっぱ、南の国は、果物とジュースに限る。

ナシ・ゴレンもすごく豪華バージョンで、
ご飯が薄焼きたまごに包んである上に、
目玉焼きが乗ってるので、
ちょっとイメージ違ったが、
サテや、フライドチキンもついている。
ピーナッツソースがついた焼き鳥サテは、うまい。

吉田さんも私も、やっと落ち着いた。

私が、両替してる暇がなかったので、
とりあえず、吉田さんに立て替えて頂いた。
25万ルピアだかなんだかとレシートに書いてある。
「25万とか言われると、びっくりしますね。
そんな大金を払うのかと思うと、ドキドキします」
とか言いながら、
吉田さんが払ってくださった。

私も前にインドネシアに行った時に、
残ってたちょっとだけのお金を持ってきてはいたが、
それは、今のバージョンより古い紙幣で、
もう使われてないという。
しかも、全部あわせても、1000ルピア程度だ。
それは、12円くらいのもんだ。
役に立たない。
水も買えない。

やっとこさ部屋に落ち着いたところで、
JAPAN FOUNDATION(国際交流基金)の塚本さんから、
電話が入った。
「よかった。もうホテルにいらっしゃったんですね?
飛行機はどの便だったんですか?」
「JAL725です」
「JALでしたか・・・ガルーダだと聞いてました・・・」
塚本さんは、私たちがガルーダで来ると聞いていたそうで、
私たちが、到着した頃は、
サッカーやってたそうだ。

とりあえず、連絡もついたし、
明日は、迎えに来てくださるというし、
まあ、とりあえず、何とかなった。
明日からも何とかなるだろう。

・・・長い。
長い一日ではあったが、
相変わらず、私の文も長い・・・

ホテル・アルヤドゥタだか、アリヤドゥタだかは、
ジャカルタの中心地にある高層ホテルで、
エントランスとかロビーとか部屋を見ると、
かなり高級なホテルだと思う。
ベッドもすげえデカイ。
縦にも横にも寝られる。
枕が四つもついてるし。
贅沢だ。

が、細かいところがちょっと駄目だ。


Toreteru 洋服掛けようとして、
クローゼット開けたら、
戸が倒れてきて、頭に当たった。
(写真の奥のドアに寄りかかってるのが、
完全に外れている扉だ)

Kowareteru デジタル時計が嘘の時間を表示してるので直そうとしたら、
スイッチがない。
穴が開いてるだけだ。
スイッチが陥没したのかと思って、
穴に指突っ込んでみたら、
パネルごと落ちてきてしまった。

だが、テレビは充実だ!
うちのCATVでは、有料になってしまったESPNがやってる。
しかもなんと、プレミアリーグが、
生中継だ!!
チェルシーvsウエストハム戦やってる!!
さらにそのあとは、アーセナルvsニューカッスル戦じゃないか!!

塚本さんが仰るには、
インドネシアでは、プレミア・リーグの人気が異様に高いのだそうだ。
嬉しい・・・

Kiblat あと、これは、KIBLATです。
これで、聖地メッカがどちらの方向か判るので、
イスラム教の方が、お祈りできるように、
ついているものです。
デスクの引き出しの中にありました。
初めて見たので、ちょっと感動しました。
矢印の先がメッカです。
ここからだと、多分、北西方面の方角になると思います。

寝ます。
アーセナル戦が終わったら。

★インドネシアでご一緒した、吉田小夏さんのブログは、
 こちらです。
 

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