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2008年7月 6日 (日)

あられー

電話が掛かってきた。

出ると、無言。

でもって、
なんか、不気味な息遣いだけが聞こえてくる。

・・・これは・・・

イタ電ではなく・・・

確実に、5歳甥だ!

「こちら、オバだけど、5歳甥?」

「・・・ぼく、です・・・」

なんか知らんが、
死んだような声だ。
死んだのか?

「おばちゃんに、
おはなし、しなければならないことが、
あるんですよ・・・・はぁ・・・」

ため息まじりだ。
5歳のくせに。

台詞的には完全に、
恋人か家族に、
余命いくばくもないフラグを立ててしまっている。

さすがに、
まだ恋人はいないだろうから、
親か。
パパかママが、
余命24時間宣告されでもしたのか。

それとも、
恋人いるのか???
5歳のくせして、
彼女がいるのか?

彼氏かもしらんけど。

彼氏だったら、面白いぞ。
彼女だったら、腹立つぞ。

フラれたか?
5歳のくせに。
5歳なんだから、
フラれたってどうってことないだろう。
いい経験だ。

いったい、何なんだ?

「じつはですね・・・
はが、
はが、
はが、ぬけてしまったんです・・・」

なんだ、
歯が抜けたのか。
歯の寿命か。
乳歯だろ?
乳歯は抜けるんだよ。
ふつー抜けるんだよ。
抜けない方が問題なんだよ。

・・・あれ?

乳歯って、
5歳くらいで抜けたっけ?

私は、
小学生になってから抜けたような気がするが、
あまりにも昔で、
記憶がさだかではない。

最初に乳歯がぐらぐらし始めた時は、
すごい恐怖を覚えた記憶はある。

「歯がぐらぐらしている・・・
このままでは、歯が抜けてしまうかもしれない・・・
この歯が抜けないように大事にしないと、
歯医者さんに連れていかれる・・・
それは阻止しなくては!」

と思って、
ぐらぐらした歯が抜けないように、
ものすごく大事にした。
ぐらぐら乳歯を大事にしすぎて、
その下で、出ようと待機してる永久歯が、
もう待ちきれなくなって、
本来歯が生えるべき位置とは全然間違った、
ほとんど下顎の真ん中くらいのところに、
いきなり顔を出してしまって、
ものすげえびっくりした。

「これは、もはや私の手に負えない緊急事態だ・・・」

と、観念して、
とんでもねえところから出てきた永久歯を、
母に見せたら、
母もびっくらこいて、
速攻、歯医者に連行。

歯医者さんは、
ぐらぐら乳歯をペンチで抜いた。

麻酔なしで。

麻酔なんかいらないくらいぐらぐらだったのだ。

じゃあ、なぜペンチで抜く。

無駄に怖いじゃないか。

全然痛くなかったが、
生まれて初めて歯を、
ペンチで引き抜かれるのは、
激恐怖だった。

それ以降は、
ぐらぐらしてきた乳歯は、
さっさと自力で抜けるように全力で努力した。

2本目以降は、
授業中に、
ぐらぐら乳歯を、
一心にさらにぐらぐら動かしてた記憶があるから、
小学生だったと思うんだけど。

5歳で抜けるもんなのか。

まあ、小学生の私も、
乳歯が抜けるのは恐怖だったのだから、
5歳甥にはこの世が終わるほどの恐怖に違いない。

私は、
大人らしく、
優しく言ってやった。

「大丈夫だよ。
すぐに大人の歯が生えてくるよ。
抜けたのが下の歯だったら屋根に投げ上げて、
上の歯だったら縁の下に投げ入れると、
丈夫な大人の歯が生えてくるよ」

すると、
5歳甥が、

「えんのしたって、
なんですか?」

と、訊く。

「縁の下っていうのは、
床の下のことだよ。
時々、力持ちが住んでいることがあるよ」

5歳甥は言う。

「ゆかのしたには、
したのおうちがあります。
てんじょうのうえには、
うえのおうちがあります」

そおかぁ~!!

確かにマンションに縁の下はない。
下の歯を上に投げ上げたら、
上の部屋のベランダに、
上の歯を下に投げ入れたら、
下の部屋のベランダに、
投げ込んだことになってしまうのか!!!

最近のマンション住まいの子は、
抜けた歯をどうしてるんだ?
燃えるゴミに出しちゃってるのか?
後生大事に保存しておくのか?

オバちゃんは、
ぜーんぶ投げちゃったぞ。

隔世の感、だ。
昭和は遠くなりにけり、だ。

いや待て。
私の子供の頃にも、
マンションに住んでいる子はたくさんいたぞ。
その子たちは、
抜けた歯、どうしてたんだろ。

もしかして、
歯を屋根の上だの、
床の下だのに投げちまってたのは、
私だけ?

5歳甥は、

「はが、ぬけてしまったことを、
おじいちゃんとおばあちゃんにも、
おはなし、しなくてはならないものですから。
それでは、これで」

と言って、電話を切った。

親戚全員に、
乳歯が抜けたことを報告しているらしい。
5歳には、大事件だもんな。

5歳なんて、
ざっくりまとめれば、
アラウンド0だもんな。
こっちはアラフォーだ。
アラウンド0に比べれば、
随分な荒波を乗り越えてきたのである。

あらふぉーのオバは、
ジェット水流で、
仮歯を三つ吹っ飛ばしてるんだ、
ざまあ、見ろ。

吹っ飛んだ三つの歯持って、
歯医者に駆け込んだら、

「いーじまさん、
それは吹っ飛ぶよ。
仮歯だからね、
すぐ取れるように、
軽くつけてあるだけだから、
ジェット水流なんかには耐えられないから、
そーゆー無茶はしないで」

と、叱られた。

これがあらふぉーの歯生活だ。
ざまあ、見ろ、5歳甥。

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