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2008年9月10日 (水)

馬鹿で猿である

14時から打ち合わせが一本あって、
19時から、
もう一本打ち合わせがあった。

一本目の打ち合わせの時点で、
脳みそのしわが一本残らず消えていた。

つるっつるです。

脳みそが。

脳としての形態をなしてないが、
脳としての機能も何も残ってない。

自分のあまりの無能さ加減に、
吐きそうになり、
ついでに胃が痛い。

これでは、2本目の打ち合わせに行っても、
あきらかに、ひとかけらも、
アイデアは出ません・・・

と、思いながら、
遅れ気味だったので、
新橋駅から汐留方向への地下道を走る。

走ったら、
最後のエネルギーまでもが尽きた。

ガス欠っていうか、
ガスなし。

これではさっぱり働けない人だ。

打ち合わせに来た意味がない。

ただ、いるだけの人である。

まるで駄目じゃん。

完全脳死してたら、
高速エレベーターに乗せられた。

耳が詰まった。
耳抜きはした。

耳抜きができる程度の能力と判断力は、
残っているらしい。

しかし、
それができたからと言って、
何だというのだ。

生きているというだけだ。
仕事はできない。

エレベーターのドアが開いたら、
46階だか47階だかだった。

おおおおおおおおぉぉぉっ!!

すっげえ景色だぁ!!!!!

19時だから、もう夜景だ。

レインボーブリッジは見える。
フジテレビは見える。
観覧車も見える。
ゆりかもめも見える。
隅田川に屋形船は走っている。
朝日新聞と築地市場が足元に見える。
いろんな高いビルがにょきにょきしてる。

それがぜ~んぶイルミネーションですよ!!!

すっげえすっげえすっげえすっげえぞおおおおぉぉぉ!!!

隅田川から東京湾、
千葉方面にかけて、
果てしない夜景が広がってるですよおおおおおおぉぉぉぉ!!!!

いきなり脳が沸騰する。

脳細胞が活性化して、
脳のしわが復活する。

・・・ような気のせいがする。

高いところに来たというだけで。

ただ、高度が高いというだけで、だ。

馬鹿で猿である。

役に立つかもしれないかもしれないアイデアも、
役に立ちそうにもないアイデアも、
どーでもいいアイデアも、
何の関係もないアイデアも、
どっちかってば無駄なアイデアも、
完全に無駄でしかないアイデアも、
今そんなこと思いついている場合じゃねーよなアイデアも、
あきらかに邪魔なアイデアも、

思いついていくではないか。

ああ、
馬鹿で猿でよかった・・・

高いところに来たってだけで、
エンストでガス欠だった頭が動き出した。

なんて簡単で、
安い頭なんだ。

でも、簡単で安い頭でよかった・・・

とりあえず、
役に立ちそうだと思われる考えを選んで、
喋るように努力はしてみて、
仕事してる風に見せてみるが、

窓から花火が上がるのが見えたら、
なんか話している途中だったが、

思わず、
「あー花火だー!」
と叫んでしまう。

見たまんまだ。
見たものを見たまま、
何の飾り気もなしに、
報告しているだけだ。

これでは、打ち合わせではない。

「あっちは、ディズニーランドだぁーっ!!
ディズニーランドの花火だぁーっ!!!!」

打ち合わせしている人全員がそう思っている。

もはや、
私は、
打ち合わせをしてる人ではまったくない。

見たものと頭に浮かんだものを、
ただそのまんま、
口に出して言う人と化している。

馬鹿と猿もたいがいにしろ、である。

打ち合わせ的なアイデアも、
喋ることは喋っている気もするが、

何の関係もない、
どーでもいい無駄話が、
口から出ることの、
八割五分をしめている。

「そういえば、
今突然思い出したんですが、
高校の時の体育の先生に、
一先生という先生がいたんですけど、
苗字が一っていう先生なんですけど、
北京オリンピックの開会式だったら、
一番に入場してくる苗字ですよね」

と言ったら、
同じく脚本家である、いしかわさんが、

「その人は、
人であって、
国じゃないから、
北京オリンピックの開会式には、
一番に入場はしてこないと思う」

と、
コメントしてくださった。

正論である。

そして、
その話は、
打ち合わせとは何の関係もない。

むしろ、
邪魔な話だ。

結局、4時間打ち合わせしてた。

ただ、高度が高いというだけで、
4時間、
煙草吸わないで、
打ち合わせができた。

・・・できたような気がする。

馬鹿で猿で、
簡単で安い頭で、
本当に良かったぞ、私。

ま、
考えと喋ってることの、
九割八分までは、
どーでもいい無駄話だったが。

そこは、まあ、
馬鹿で猿なのだから、
仕方がない。

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2008年9月 8日 (月)

危機一髪油断オバサンだが

先月の20日頃、
事務所で打ち合わせして、
夕食作る気力がなかったので、
弁当でも買って帰ろうと思って、
駅ビル食品売り場で弁当を物色してたら、
外で赤い光がくるくるしていた。
パトカーらしい。

渋谷近辺で、
パトカーの赤いピカピカライトを見るのは、
あまり珍しくない。

うちに帰ってテレビを見たら、
79歳の女の人が、
刃物で通行する人々に切りかかったという。

・・・えーと、
ちょうどそのくらいの時間に、
まさにその通路、通ってたぞ。

でもって、
この前、有楽町だか汐留だかで打ち合わせして、
帰りに東京駅の通路を、
乗り換えのために歩いた。
いつものように。
何も考えずに。

帰ってテレビを見たら、
東京駅の通路の柱の横に、
釘とか可燃物とかが入ったクーラーボックスが、
置かれてて、煙が出てたという。
爆発させる目的だったと、ニュースで言ってた。

ほぼその時間に、
その通路を歩いていた。

危機一髪だ。
私は無事だったが、
怪我された方、お見舞い申し上げます。

まさか、
包丁だの釘だのが飛んでくると思って、
駅の通路なんか、歩かねえわけだが、
とりあえず何が飛んでくるか判らないと覚悟して、
歩かなきゃいけないのか。

無理だ。

小心者だけど、
油断が多くて、
脇が甘い体質だ。

ものすごく油断して歩いている。

うちの事務所の歌川は、
駅のホームを歩く時は、
いきなり線路に突き落とされないように、
絶対にホームの真ん中を歩くという。

誰かにそんなに恨まれているのか。

それとも、
誰でもよかった潮流対策か。

私は無理だ。

油断の塊で歩いている。

で、8月の終わりから昨日くらいまで、
全国的に局地的な豪雨が続くという、
シュールな状態の日々が続いてたが、

各地で被害に遭われた方、
お見舞い申し上げます。

聞いたことがもない落雷音がして、
「これは核戦争が勃発したか」
とは、さすがに思わないが、
「それくらいはうるさいし、
さすがに出かけるのは嫌だ」
と思いながら、
家を出て、
駅まで行ったら、

「阿佐ヶ谷と荻窪の間に落雷があり、
架線が切れたので、
電車は止まってます」

と、お知らせが出ていた。

移動できねえ。

そのまま、家に戻ったら、
うちのマンションの前の道を、
JRと書かれた作業車が、
のろのろ走っている。

作業員の方々が、
「あそこだあそこだ!」と、
うちのマンションの真正面方向の、
架線の柱を指差している。

あ、架線が垂れ下がっている。

煙出てるし。

出かける前の核戦争勃発の如き轟音は、
ここに雷が落ちた音かあ・・・

そりゃ、轟音でも無理はない。

先週の木曜、
食うものも飲むものも煙草もなくなったので、
買い物に出かけた。

完全に晴れていた。
積乱雲もなかった。

今のうちだ!!!

で、
スーパーで会計し終わったら、
外が真っ暗になっている。

「こりゃ、やべえ・・・」と思いながら、
買った物を倍速袋詰めしてたら、
またも、
耳をつんざく、
宇宙戦争勃発の如き轟音とともに、
一瞬にして、外は、
滝の裏側に入ったみたいな豪雨になってた。

傘持ってきてませんでした。

この気象状況の時期に、
これは傘持ってない私が悪いです。

去年くらいまでの夏の夕立なら、
「ちょっと待ってればやむよな」
だったが、
今年のゲリラ豪雨は、
黙ってりゃ、一晩中でも雷豪雨が続く。
待っているわけにはいかない。

傘もささずに帰ってきました。

滝に打たれたかのように濡れる。
目に雨が入ってきて、
目も開いていられない。

こうなったら、もうどうなろうとかまうか!
と思いながら、
普通に歩いてたら、
履いてたサンダルの鼻緒が切れた。

いまどき、切れるのか、鼻緒が!!!

まあ、バリ島で、
30円くらいで買ったサンダルだから、
仕方ないけど、
今切れなくてもいいだろう。

下駄なら、
何とかできないでもないが、
バリサンダルは、
靴底にゴムが貼ってあって、
鼻緒がついてるとこが出てない。

裸足歩行決定。

滝に打たれながら、
裸足で歩く、
修験者のような私。

覚悟して歩き出そうとしたその瞬間。
ビッグバンが勃発したかのような轟音がして、
50メートルくらい先の木に雷が落ちた。

地上の木に稲妻がぶつかるのを、
生で生まれて初めて見た。

ていうか、
鼻緒が切れてなかったら、
そのまま普通に歩いてて、
5メートル先の木か、
真横の木か、
あるいは、私に落雷してた可能性さえある。

ありがとう、
バリ島の30円のサンダルの、
切れやすい鼻緒。

でもって、
金曜日、
パソコンがまた落ちた。
これは雷雨や通り魔のせいではないが、
立ち上げたら、
作業中のファイルが破損していた。

何とか開けてみたが、
完璧に文字化けしていて、
ギリシャ文字みたいなのと、
・・・・・・ж・・・・・д・・・・・б・・・・
みたいなものが延々と続いてますファイルになってた。
Wordに日本語で書いてたのに。

これは使いものにならねえ。

てか、

最初から、やり直しじゃねえかああああああぁぁぁぁぁ!!!

バックアップ取ってない、
油断にどっぷりの私が悪い訳だが、
あまりの仕打ちに、
私自身がフリーズ。

多少は記憶があるものの、
同じものは二度と書けない。

それより何より、
打ち合わせの時間が迫っている。
間に合いません。

だって、全部なくなっちゃったんだもん。

小心者だが、
開き直りは早いので、
「ファイルが壊れたので、打ち合わせ無理です」
と連絡する。

「いい加減、パソコンを買え」
と言われた。

正論です。

本当にごめんなさい。
吉田さんと稽古が始まってる寺崎さん。
小心者のくせに油断者でずぼら者の飯島が悪いです。

前に書いたことを思い出すなんて、
不毛なことはやめて、
新たに書き直してたら、
またも鼓膜を突き破るような、
実際、サッシのガラスがびりびり震えた轟音と、
照明弾のような閃光がきたかと思ったら、
家中の電気が消えた。

当然、パソコンも消えた。

家の中で光なものは、
ちょうどメール打ってた携帯の画面だけ。
案外明るいな、携帯画面。

家中のいたるところに、
なぜかペンライトがあるので、
その一個をつけた。
あかりは確保。

だが、当然、パソコンは起動できない。

どうすることもできないので、
冷凍庫の中にあった、
ハーゲンダッツのメープルクッキーを食う。

これだけは、今処分しないと、
取り返しがつかない。

ペンライトのあかりの中で、
なすすべもなく、
ただ黙々と、
ハーゲンダッツ、メープルクッキーを食う私。

・・・けっこう美味かった。

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