2009年8月18日 (火)

春日ギャグ融合

3月生まれの6歳甥が、
見た目は小さいけど、
小学生になって、
今、夏休みです。

甥パパママは、
軽井沢に行ってブルーベリー狩りをやらせたり、
伊東に行って海を見せたり、
大忙しです。

「今度の日曜は、
甥のスケジュールが開いてるから、
オバちゃんは今週来て」
と、スケジュールを決められてしまいました。

去年のはじめ頃は、
「そんなの関係ねえ!~はい、オッパッピー!」
を一連で何回もやらされた。
パパとママはやってくれないらしい。

今は、
はんにゃの「ずくだんずんぶんぐん」
(・・・であってます?
ずくだんぶんずんぐん?
ずぐだんずんぐんぶん?)
とかかなと思って、

「おばちゃんと、ずくだんずんぶんぐんゲームで勝負だ!」
と、ツカミをかましてみたら、

「それなんですか? しらないです」

と、冷たい口調で言われてしまった。

はんにゃじゃないのか・・・

やっぱオードリーかなと思って、

「トゥース!か~すが!」
を、大威張りでやってみたが、
ほぼ無視。

ぐだぐだの流れで、
「春日のここ、あいてますよ」
まで、とりあえずやってみた。
大サービスである。

てか、馬鹿みたいである。

すると、

「それ、ちがいますよ」

と駄目出しが出た。

「こうですよ!」

甥は、
猪木さんのような顔をして、
両手の親指と人差し指で四角をつくり、

「かすがのここ あいてますよ」

とお手本を見せてくれた。

それは・・・

甥よ、それは鬼瓦との融合だが、どうか。

さすがのオードリー春日も、
指でつくった四角の中には、
誰も入れないと思う。

ていうか、
すでに鬼瓦の自分の顔が入ってから、
あいてないしね。

「それは鬼瓦だよ」
と指摘してみるが、

甥は、

「かすがのここ あいてますよ」

と、猪木さんじゃなくて、
鬼瓦らしき顔のまま、
台詞を言いつづけ、
どーしても譲らない。

なぜ、
春日ギャグが融合してしまったかというと、
甥は、
本物のオードリーを見たことがないのである。

本物って言っても、
生の春日じゃないですよ。
テレビに映ってる春日を見たことがないのだ。

甥の家ではほぼテレビを見ない。

甥が「春日のギャグ」を見るのは、
学校のお友達がやってる「春日のギャグ」
なのである。

だから、
お友達が間違えたり、
勝手にアレンジしたりすると、
それが本流になってしまうのだ。

本物の春日を見たことがないから、
「おばちゃんちは、春日の家の近所なんだよ」
と意味のない自慢をしてみても、

「かずがに、いえは、ないです」

という冷たい反応しかない。
「オードリー春日」という、
実在の人間がいると思ってないので、
春日の家もへったくれもないのだ。

純粋にギャグとしてだけの存在だ。

ある意味凄い。

で、
鬼瓦で、
「かすがのここ あいてますよ」
という融合ギャグを延々やらされた。

おばちゃんはね、
歯に矯正器具が入ってるから、
鬼瓦、すげえやりにくいんですけど。
そんなことは言い訳にならない。
顎と唇が痛いです。

顎関節痛になるか顎が外れるか、
二つに一つのすんでのところで、
甥も飽きたのか、

「こんなばかみたいなことは、
いいかげんやめて、
らきゅーをやりましょう」

と言い出した。

らきゅーって何?

「らきゅーです」

と、
平べったい箱を持ってきた。
そこを開けると、
なんか知らないが、
破損したジグソーパズルのピースみたいな、
プラスチックの破片がたくさん入っている。

「これ何?」

「だから、らきゅーですってば!」

「らきゅーですか・・・」

「らきゅーです。
きょうりゅうをつくるので、
ぼくは、
あたまをつくるので、
おばちゃんは、
しっぽをつくってください」

「えーと・・・」

「しっぽというのは、
きょうりゅうの、
おしりについているものです」

「いや、それは知ってる。
恐竜を作るの?
らきゅーをやるんじゃないの?」

「だからぁ!
らきゅーできょうりゅうをつくるんです!!
そして、
おばちゃんは、
しっぽをつくるんです!!!!」

「この破片がらきゅーなわけ!?」

「はへんじゃなくて、
ぱーつです。
よんばんを、いっこさがしてください!」

「4番!?」

4番と言われても、
この無数の破片に番号がついてるとは思えない。
もたもたしていると、

「ほら、ここにあるじゃないですか!」

4ban_2
なんかね、
こんなのをくれた。

・・・・・・・・

これが、4番らしい。

・・・・・これが4番・・・・

4番て言われても、
判るわけねーだろーがよっ!!!

「もう、いっこ、よんばんをください」

「はい!!」

もう、形が判ったからには、
こっちのものだ。
私は、4番を探して甥に手渡した。

「どうぞ!4番です!!」

「ちがいますよ!!
これは、
さんばんですよ!!
よんばんをくださいっ!!!」


3ban_2 私が渡してしまったのは、
この3番だったらしい。

二つを比べて、
よく観察すると、
真ん中の棒の部分が、
3番の方が、
ちょっと細い。
4番と3番では、
全然違うらしい。

段々、少しずつ判ってきたが、
部品を組み合わせて、
立体を作るものらしい。

私が子供の頃は、
なんか立体を作るといったら、
レゴなわけだが、
らきゅーは、
三角と四角の板と、
あとは、七種類のジョイントで、
どんな形でもつくれるとかいうものらしい。


どうも、
これの左下隅に小さくある、
プラキオサウルス的な奴を、
作りたいらしい。

もう、
3番と4番の区別がつかないオバサンにできることは、
部品を形ごとに、
分けてくことしかない。

次第に、
3番と4番の違いが判るようになる。
オバサンのスキルがあがった!

それにしても、
作るの早っ!!

訳の判らない部品を、
もうね、
なんかね、
迷いもなく、
どんどんつないでいくんですよ。

初めて作るらしいんだけど、
図面とか、
ちらっとしか見ない。

おそらく、
図面を読んでるわけじゃないと思う。
レインマンな人たちみたいに、
一瞬で全部を把握しちゃってるんだと思う。

天才じゃね?

ていうか、
天才なんじゃなくて、
幼児だからできることなんだと思うけど、

でも、
オバ馬鹿は、
天才じゃね???

と、感動した。

ものの5分くらいで恐竜完成。

感動したオバは、
写真を取ろうとした。

そしたら、
甥は、

「あ、ちょっとまってください。
きれいにかざりつけますから」

と、
完成作品を、
セッティングしてくれた。

Laq それが、
この写真。

後ろに、
幕を吊ってくれたんだけど、
それは、
その辺に落ちてた、
タオルだったのね。

でもって、
甥の足が見切れてるのね。

これで、
甥的には、きちんと展示したつもり。

その辺が、
幼児。

恐竜が、
いろんな色のつぎはぎになってるのは、
部品が足りないから、
本の表紙にあるみたいに、
全部、白とかじゃつくれないのね。
それは、すごく残念らしい。

さらに、
これをぶち壊して、
表紙にデカく載ってる、
ティラノサウルスの、
頭部に取り掛かろうとする。

せっかく作ったのを、
あっという間に、
バラバラにする。

作ることに意味があるだけで、
作品を保存することは、
どーでもいいらしい。
次のを作るために、
部品が足りなければ、
何の迷いもなく、
プラキオサウルスは分解だ!!

なんか知らんが潔い。

が、
残念なことに、
見本にある色を無視しても、
ティラノサウルスの頭部を作るだけの部品は、
どうしても持ってないらしい。

「ちらのさうるすは・・・
ちらのさうるすのあたまは、
つくれません・・・
ちらのさうるすのあたまは
・・・あきらめましょう・・・」

断腸の思いで、
甥は諦めた。
本当に悔しそうだった。

そーゆー顔見ると、
買ってやりたくなっちゃうんだよなあ。
オバ馬鹿だから。

オバが帰ろうとすると、

甥が、

「さいごに、
かすが、
やってください!」

と言うので、

鬼瓦の顔で、

「春日のここ、あいてますよ」

と、必死に言うと、

「そんなとこに、
はいりたいひとは、
いないんですけどね」

と、正しいつっこみをした。

甥・・・
知っててやってるのか・・・?

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2008年7月 6日 (日)

あられー

電話が掛かってきた。

出ると、無言。

でもって、
なんか、不気味な息遣いだけが聞こえてくる。

・・・これは・・・

イタ電ではなく・・・

確実に、5歳甥だ!

「こちら、オバだけど、5歳甥?」

「・・・ぼく、です・・・」

なんか知らんが、
死んだような声だ。
死んだのか?

「おばちゃんに、
おはなし、しなければならないことが、
あるんですよ・・・・はぁ・・・」

ため息まじりだ。
5歳のくせに。

台詞的には完全に、
恋人か家族に、
余命いくばくもないフラグを立ててしまっている。

さすがに、
まだ恋人はいないだろうから、
親か。
パパかママが、
余命24時間宣告されでもしたのか。

それとも、
恋人いるのか???
5歳のくせして、
彼女がいるのか?

彼氏かもしらんけど。

彼氏だったら、面白いぞ。
彼女だったら、腹立つぞ。

フラれたか?
5歳のくせに。
5歳なんだから、
フラれたってどうってことないだろう。
いい経験だ。

いったい、何なんだ?

「じつはですね・・・
はが、
はが、
はが、ぬけてしまったんです・・・」

なんだ、
歯が抜けたのか。
歯の寿命か。
乳歯だろ?
乳歯は抜けるんだよ。
ふつー抜けるんだよ。
抜けない方が問題なんだよ。

・・・あれ?

乳歯って、
5歳くらいで抜けたっけ?

私は、
小学生になってから抜けたような気がするが、
あまりにも昔で、
記憶がさだかではない。

最初に乳歯がぐらぐらし始めた時は、
すごい恐怖を覚えた記憶はある。

「歯がぐらぐらしている・・・
このままでは、歯が抜けてしまうかもしれない・・・
この歯が抜けないように大事にしないと、
歯医者さんに連れていかれる・・・
それは阻止しなくては!」

と思って、
ぐらぐらした歯が抜けないように、
ものすごく大事にした。
ぐらぐら乳歯を大事にしすぎて、
その下で、出ようと待機してる永久歯が、
もう待ちきれなくなって、
本来歯が生えるべき位置とは全然間違った、
ほとんど下顎の真ん中くらいのところに、
いきなり顔を出してしまって、
ものすげえびっくりした。

「これは、もはや私の手に負えない緊急事態だ・・・」

と、観念して、
とんでもねえところから出てきた永久歯を、
母に見せたら、
母もびっくらこいて、
速攻、歯医者に連行。

歯医者さんは、
ぐらぐら乳歯をペンチで抜いた。

麻酔なしで。

麻酔なんかいらないくらいぐらぐらだったのだ。

じゃあ、なぜペンチで抜く。

無駄に怖いじゃないか。

全然痛くなかったが、
生まれて初めて歯を、
ペンチで引き抜かれるのは、
激恐怖だった。

それ以降は、
ぐらぐらしてきた乳歯は、
さっさと自力で抜けるように全力で努力した。

2本目以降は、
授業中に、
ぐらぐら乳歯を、
一心にさらにぐらぐら動かしてた記憶があるから、
小学生だったと思うんだけど。

5歳で抜けるもんなのか。

まあ、小学生の私も、
乳歯が抜けるのは恐怖だったのだから、
5歳甥にはこの世が終わるほどの恐怖に違いない。

私は、
大人らしく、
優しく言ってやった。

「大丈夫だよ。
すぐに大人の歯が生えてくるよ。
抜けたのが下の歯だったら屋根に投げ上げて、
上の歯だったら縁の下に投げ入れると、
丈夫な大人の歯が生えてくるよ」

すると、
5歳甥が、

「えんのしたって、
なんですか?」

と、訊く。

「縁の下っていうのは、
床の下のことだよ。
時々、力持ちが住んでいることがあるよ」

5歳甥は言う。

「ゆかのしたには、
したのおうちがあります。
てんじょうのうえには、
うえのおうちがあります」

そおかぁ~!!

確かにマンションに縁の下はない。
下の歯を上に投げ上げたら、
上の部屋のベランダに、
上の歯を下に投げ入れたら、
下の部屋のベランダに、
投げ込んだことになってしまうのか!!!

最近のマンション住まいの子は、
抜けた歯をどうしてるんだ?
燃えるゴミに出しちゃってるのか?
後生大事に保存しておくのか?

オバちゃんは、
ぜーんぶ投げちゃったぞ。

隔世の感、だ。
昭和は遠くなりにけり、だ。

いや待て。
私の子供の頃にも、
マンションに住んでいる子はたくさんいたぞ。
その子たちは、
抜けた歯、どうしてたんだろ。

もしかして、
歯を屋根の上だの、
床の下だのに投げちまってたのは、
私だけ?

5歳甥は、

「はが、ぬけてしまったことを、
おじいちゃんとおばあちゃんにも、
おはなし、しなくてはならないものですから。
それでは、これで」

と言って、電話を切った。

親戚全員に、
乳歯が抜けたことを報告しているらしい。
5歳には、大事件だもんな。

5歳なんて、
ざっくりまとめれば、
アラウンド0だもんな。
こっちはアラフォーだ。
アラウンド0に比べれば、
随分な荒波を乗り越えてきたのである。

あらふぉーのオバは、
ジェット水流で、
仮歯を三つ吹っ飛ばしてるんだ、
ざまあ、見ろ。

吹っ飛んだ三つの歯持って、
歯医者に駆け込んだら、

「いーじまさん、
それは吹っ飛ぶよ。
仮歯だからね、
すぐ取れるように、
軽くつけてあるだけだから、
ジェット水流なんかには耐えられないから、
そーゆー無茶はしないで」

と、叱られた。

これがあらふぉーの歯生活だ。
ざまあ、見ろ、5歳甥。

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2008年4月12日 (土)

えふまりの!

稽古初日だったが、
稽古開始が夕方ということになったので、

引きこもりから脱出して、

日産スタジアムに、

マリノス・レイソル戦を観に行ったぞぉ~!!!!!

5歳甥連れ。

弟が、

「オバちゃんとサッカーを観に行くんだよ」

と5歳甥に言ったら、

「じゃあ・・・もしかしたら、
うんがむいたら、
かきごおりを、
かってもらえるかもしれないですね」

てのが、
5歳甥のコメント第一声だったという。

去年、三ツ沢に横浜・大分戦を観に行った時、
あまりに暑かったので、
カキ氷を買ってやったら、
当時4歳甥は、
何しろとにかく、
後半45分は、カキ氷に夢中だった。

一年前のことなのに、
よく覚えている。

そして、

サッカー観戦=カキ氷

という、思考回路が出来上がっている。

ていうか、
サッカー観戦に関して5歳甥の脳内は、

サッカー観戦<カキ氷

だ。

5歳甥には、
サッカーはむしろ、
どーでもいい。

なにしろとにかく、

カキ氷!!!

だ。

普段は、ママが、
すっごく気を遣って、
手作りで、添加物なし、
有機野菜&果物だのを使った、
手作りお菓子をおやつにしているので、

着色料&糖分のみ!!!
(あと水を凍らせたもの)

という、カキ氷を食ったのは、
生まれて初めてだったようだ。

ママは5歳甥の健康に、
ものすごく気を遣っているってのに、
オバの軽率行動で台無しだ。

新横から、日産まで、
私がひとりで普通に歩いたら、
大体10分で着くが、
5歳甥連れだと、
少なくとも30分は掛かると思え、だ。

なにせ5歳だから、
どーでもいいものに、
いちいち引っかかる。

あんまりおいしそうでもないラーメン屋さんに限ってある、
ていうか、最近はあまり見かけない、
店の入り口のとこにある、
上にデカいラーメンの丼フィギュアが乗ってる看板とかに、
引っかかる。

すごく面白いらしい。

そこでおよそ5分はラーメン看板を見学する。

ごく普通のオフィスビルのエントランスに、
真っ白い石が敷いてあったりするのに、引っかかる。

「しろいいしがありますよ!!!
こんなに、しろいいしがありますよ!!!
ぜんぶ、まっしろいいしですよ!!!!」

たいそう、感動している模様。

オバは一応大人なので、
白い石が、
人為的に意図的に敷かれたものだと知ってるので、
全然、不思議ではないが、
普段、公園とかで、
すごく石ころ的な石の中から、
白っぽい石が見つかると、
宝物的「きれいなめずらしいいし」として、
保存してたりする5歳甥としては、
真っ白な石が、敷きつめられているのは、
奇跡的な光景に見えるらしい。

やはり5分くらい、
奇跡の白い石に引っかかる。

ようやくスタジアムが見えてきた。

だが、ここからも難関がある。

スタジアムは、
大概、公園的なものに囲まれている。

今日は、入ったところがまずかった。
すぐそこに、噴水がある。

5歳甥には、
目の前のスタジアムが、まったく目に入ってない。
噴水あるのみ、だ。

5歳甥、噴水に突進。

「おさかながつれますか?
おさかながつれますか?
おさかながつれますよね?」

お魚は釣れません。
なぜなら、
噴水には、
お魚は、
住んでないからです。

「おさかながつれますよね?
おさかなをつってくださいよ」

「お魚はいないんだよ」
と説明しても、

「おさかなは、
おみずがあるところにすんでいるんですよ。
だって、
おみずのなかには、
ぷらんくとんがいるんですから、
だから、
ぷらんくとんをたべるので、
おさかなが、ぷらんくとんをたべるので、
おさかなが、すんでいるんですよ」

いや、
プランクトンはいるかもだが、
噴水に、お魚は住んでいません。

しかし、5歳甥は譲らない。

「おさかなは、
おみずがないところでは、
いきていないんですよ。
ここには、おみずがあるので、
おさかなが、すんでいるんですよ。
だって、おみずがあるんですから!!!」

確かに水がないと、
お魚は生きられないが、
この場合は、
逆もまた真なりじゃないんだが。

「だって、水道は水が出るけど、
蛇口からお魚は出てこないでしょ?」

と、オバは主張してみたが、

「すいどうから、
おさかながでるわけがないじゃないですか。
だって、すいどうなんですよ?
すいどうに、
おさかながすんでいるわけがないですよ」

と、オバのことを馬鹿だと思いやがる。

水道も噴水も、
システム的に、
お魚が住めないということでは、
同じなはずなのだが、
それを理解しようとしない。

とにかく5歳なので、
論点がズレようが、
どこが論点であろうが、
そもそも論点という概念がないので、
そんなものは、まったく気にしない。
5歳甥と、議論をするのは、
非常に困難である。

スタジアムを目の前にして、
噴水に、10分ほど引っかかる。

ようやくスタジアムに入れる。

5歳甥は、
周囲を埋め尽くす、
トリコロールカラーのサポーターの皆さんに、
目を奪われている。

去年、三ツ沢に行った時は、
メインスタンドに入ったので、
サポーターの皆さんは、
ちょっと遠くにいたが、
今日は、マリノスゴール裏で、
周囲は、マリノス一色だ。

「はたですよ!
はたをふっていますよ!
おおきいはた、ですよ!!
あのひとたちは、
なぜ、はたをふっているんでしょうか!?」

マリノスを応援してるんだってば。

「まりのすさんを、おうえんしているんですよ!!
はたをふって、
まりのすさんを、おうえんしているんですよ!!
ところで、
まりのすさんは、
どこにいるんですか?」

あいにく、選手入場前で、
ピッチには、誰もいない。

「あ、いました!!
あの、どなるどだっくが、
まりのすさん、ですよ!!!」

そこには、
マリノス君&マリノスケの姿があった。

そもそも、
マリノス君は、ドナルドではないし、
さらに言うなら、
マリノス君は、カモメであって、
あひるではない。

まあいいや、
もう面倒くせえ。

ようやく、キックオフになった。
オバは、すでにへとへとです。

でも、5歳甥は、
ますますどんどんひたすら元気だ。
サポーターの皆さんが、
本格的に応援を始めたからだ。

5歳甥も、
さっそく、
マリノスサポーターの皆さんの真似をして、

「えふまりの!えふまりの!
えふまりの!えふまりの!」

と叫びながら、
飛び跳ねている。

マリノスの「ス」が足りないが、
それについては、どうか。

5歳甥は、そんなことは、
さっぱり気にしてない。

「ぱぱも、
おばちゃんも、
まりのすさんをおうえんしてくださいよ」

パパもオバも、
オッサン&オバサンだし、
できることなら、
試合を見ることに集中したいのだが、
5歳甥が一緒の場合、
そんな贅沢は言ってられない。

仕方がないので、
「Fマリノス!」
と叫びつつ、飛び跳ねる。

5歳甥はテンションが上がりきって、
「えふまりの!えふまりの!」
と叫びながら、
飛び跳ねる上に、
くるくる回って、勝手に踊り始めた。

なぜいきなり、
そんなにマリノスファンなのだ、5歳甥。

前半14分、ロニーのゴール!

周囲の人々が、雄叫びをあげる。
パパとオバも、腕を振り上げて、雄叫んでいる。
これは、パパもオバも本気。

去年の三ツ沢観戦の時は、
キングのゴールに、
いきなり、雄叫んで立ち上がったパパとオバを、
知らない人を見るような驚愕の目で見ていた当時4歳甥だが、
今日の5歳甥は、一緒に、雄叫んで、
両手を振り上げて、
またも意味なく、くるくる回っている。
気が違ったように楽しそうだ。
良かったな、5歳甥。

「まりのすさんが!!
まりのすさんが!!」

そうだよ、
マリノスさんが、一点だよ。
よかったね。

「まりのすさんが、
はたをふっています!!」

見ると、
マリノス君が、
マリノスのゴールを祝して、
旗を振っている。
5歳甥には、
ゴールは関係なくて、
マリノス君が旗を振っていることが、
非常に嬉しい出来事なのだった。

「おばちゃんは、
まりのすさんは、にんげんだとおもいますか?」

マリノス自体は、
サッカーチームなので、
人間の集団だが、
マリノス君について述べるのだとしたら、
あれは、カモメです。

「マリノス君は、
人間じゃなくて、カモメなんだよ」

と、オバが教えてやったら、
5歳甥は、勝ち誇ったように、言い放った。

「ちがいますよ。
おしえてあげましょう。
あのなかには、
じつは、
にんげんが、はいっているんですよ。
おばちゃんも、
おぼえておいたほうがいいですよ。
あのなかには、
じつは、にんげんがはいっているんですからね!」

はい、
よく覚えておきます・・・

2-0マリノス勝利で、
試合は終わったが、
日産スタジアムから、新横の駅まで行くのに、
「えふまりの!えふまりの!」
と叫びながら、
飛び跳ねながら、
くるくる回りながら、
踊りながら、
歩く5歳甥と一緒なので、
またも訳が判らないくらい時間が掛かった。

稽古開始時間、ギリギリで稽古場に滑り込む。

もう、へとへとです。

しかも、稽古初日なので、
読み合せがあります。
いつものことながら、
緊張して、
胃から心臓から肝臓から腎臓くらいまで、
吐きそうになります。

稽古初日に、
5歳甥と一緒に、
サッカーを観に行くべきではない・・・

ということが、判った。

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2008年3月 2日 (日)

ぷらんくとんうつのみや

4歳甥が今日5歳甥になった。

でもって、無事、退院した。

オバは、
5歳甥と一緒に遊ぶと、
ついつい5歳甥の健康状態と、
自分の年齢を忘れて、
暴れまくってしまうので、
今日は、5歳甥の家に行くのは遠慮することにした。

電話して、

「お誕生日、おめでとう」

と言ったら、

「ふ~ん」

と言われた。

「ふ~ん」はないんじゃないか。

おまえの誕生日だぞ。
それも、五年も生き延びてきた記念の日だ。

だが、
誕生日という概念も、
おめでたいという概念も、
自分が5年間、無事生きてきたという概念もないらしい。

やっぱ、まだ5歳だ。
ていうか、
ちょっと馬鹿なのかもしれない。

甥は言う。

「それよりですねえ。
ぴんくのくまさんが、
おべんきょうをしているところなんですよ」

それよりって何だ。
自分の誕生日よりも、
ピンクのくまさんが大事か。

私「くまさん、何をお勉強してるの?
  ご本を読んでるの?
  お絵かきしてるの?」

甥「・・・なにもしていないようにみえます」

そりゃ、そうだろう。
ぬいぐるみのくまだ。
何もしない。

私「じゃあ、何をお勉強しようか、
  考えてるとこかもしれないね」

甥「かんがえてるわけないじゃないですか。
  ぬいぐるみなんですから」

おちょくっとるのか!!!!

と、

「ぷらんくとん!!!」

いきなり5歳甥が叫ぶ。

私「え? は?
  ぷらんくとん?
  ぷらんくとんて何?」
甥「ぷらんくとんはおさかながたべるんですよ」
私「ああ、プランクトンね。
  よく知ってるね。お魚が食べるんだよね。
  それで、おさかなは大きくなるんだよね」
甥「ぷらんくとん、なんですよ。
  ぷらんくとんについてなにをしってますか?」
私「えーとね、小さいんだよね。
  見えないくらい小さいんだよ。
  でね、赤潮の原因とかになるんだよね」
甥「おしおは、しろいですよ。
  いまは、ぷらんくとんのはなしをしているんですよ」
私「だからさ、プランクトンが赤潮の原因になるんだってば」
甥「でも、ぼくはぷらんくとんにあったことはないんですよ」
私「オバちゃんもないねえ。
  なにしろ、小さいからねえ」
甥「ちいさいから、でんしゃにのっててもきづかないんですよ」
私「プランクトンは、電車には乗らないよ。
  海とかにいるんだから」
甥「で、おさかなが、たべるんですよ。
  そして、おさかなはおおきくなるんですよ。
  ぷらんくとんはちいさいのに、
  おさかなはおおきくなるんですよ。 
  しっていましたか?」

だから、それは、
さっき、オバが言っただろーが!!

と、

「うつのみや!!!」

と、またもいきなり、
5歳甥が叫ぶ。

私「え? は?
  何が宇都宮なの?」
甥「うつのみやも、ちいさいから、
  でんしゃにのってても、きづかないんですよ」
私「いや、宇都宮は栃木県の県庁所在地だよ」
甥「でも、ちいさいから、みえないんですよ」
私「宇都宮は小さくないよ」
甥「でも、ぼくはあったこと、ないですよ」
私「オバちゃんも会ったことはない」
甥「それは、ちいさいからですよ」

違うと思う。

甥「ぷらんくとんも、うつのみやも、
  ちいさからあえないんですよ。
  わかりましたか?」

いや、判らないです。

どうも、5歳甥が、
5歳の誕生日に覚えた記念すべき、
難しい言葉が、
「ぷらんくとん」と「うつのみや」であるらしい。

甥「ところで、はなしをかえてもいいですか?」
私「いいですよ」
甥「きょうは、ぼくのおたんじょうびだとおもうので、
  でんわじゃなくて、
  ぷれぜんとをください」

5歳甥は、
誕生日を、
プレゼントをもらう日だと思っている。
まあ、
まだ5歳だから無理もない。

だが、オバは、ケチで、今貧困中なので、
言葉だけを贈ろう。
おめでとう。
今日まで、無事生きてきてくれて、ありがとう。

甥「よければ、
  よくみえて、おはなしできる、ぷらんくとんを、
  ぷれぜんと、してください」

ねえよ!!
あと、お話できる宇都宮もねえからな!!

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2008年2月23日 (土)

覚悟して待っとれや!!

打ち合わせが、
またも日本代表戦と重なった・・・

しかも、今回は、
東アジア選手権優勝が掛かった、
韓国戦だ!!

仕方ないので、
録画予約して家を出た。

とにかく、
まず、
「どーゆー芝居を作りますか」
ってとこから話しているので、
この前も書いたけど、
話の9割は無駄話。

ここのとこ、
同じ喫茶店で打ち合わせしてるが、
大体、6時間くらいいる。

でもって、
「ウェディング・シンガー」の稽古場では、
あんまり煙草吸わないでいたので、
煙草の本数減ってたが、
打ち合わせだとものすごく増える・・・

途中で、
灰皿の交換に来てくれた、
喫茶店の人が、
「こんなに吸ったら、
肺がんになっちゃいますよ」
と、注意して下さった。

・・・判ってます・・・

が、ただじゃ、煙草吸いすぎないぞ!!

ようやく、
芝居の核が何とか見えるところまで、
こぎつけました!!!!

ここまでできたら、
勝ったも同然。
あとは、書くだけ。

・・・いや、今の気分は、ね。

これから、また、
「負けたも同然だ・・・」
と、思う日々がやってくるのは、
百も承知だが、
今だけは、
「勝ったも同然」
と思わせておいてくれ。

何に勝ったのか、
何が同然なのか、
全然判らないけどね。

とりあえず一歩前進。
何もないより、
はるかにマシ。

だから、
勝ったも同然!!

これから膨らませばいいだけ!!

・・・・だから、
どうやって、
何をどう膨らませるのかで、
また唸るんだけど。

知ってるんだけど、

0と1とは、全然違うしな!!

と、
自分で自分を励ましてみる。

で、
深夜一時の閉店までいなくてすんで、
帰宅だ!!

もうね、
今日こそは、
完全に、外部の情報を遮断して、
家に帰った途端に、
テレビのスポーツニュースとか見てしまわないように気をつけて、
録画してある日韓戦をつける。

白紙の状態で見られる!!

やった!!
計算通りだ!!

・・・・・が、

前半14分、
韓国ゴールだ・・・・

いいゴールだ・・・・

ナイスなミドルシュートでした・・・

とにかく、日本、2点入れろ!!!!

せめて、
前半のうちに1点入れろ!!!!!

と、叫んでいたら、
父と母がやってきた。

甥が入院してるので、
父母が、見舞い兼付き添いで、
土日は病院行く。

その父母が、
電車なくなって、帰れなくなったし、
明日も病院に行くので、
泊めてくれと、
やってきた。

私は、平日の担当。

「で、甥はどう?」
と訊こうとした途端、
後半が始まった。

いや、録画だからね。
止めればいいんだけど、
父も、またこれが、
サッカー野郎で、
いきなり、
「1点ビハインド!?
何やってるんだ!?」
と、一声怒鳴ったと思ったら、
画面に釘づけだ。

「なんで、今のが日本のファウルだ!!
審判どこの組だ!?」

と、深夜にも関わらず、
怒鳴りまくっている。
で、組じゃないです。
国のことだと思います。

「中国です」
と答える。

父「中国の審判なんか駄目だっ!!!
  なんで、他の組じゃないんだっ!?!?」
私「いや、でも、この場合、
  優勝と関係ないのは、中国だけだし、
  副審一人、オーストラリアかどっかだし・・・」
父「なんで中国なんだ!?」

いや、だから、
説明したのに、
聞いてないし。
しかも、
まだ、組ってゆってるし。

サッカーに、
さっぱり興味ない母は、

「怒るなら、見なきゃいいのに」

と、当たり前過ぎることを正当に言ってる。

・・・・判ってます。

判っていながら、
怒鳴っている、
初老の父と、
オバサンな娘。
馬鹿の塊です。

「そんなとこで、ボール取られてるんじゃない!!」
「裏を取れ!! サイドを換えろ!!」
「何やってる!! 押し上げろ!!」
「ていうか、走れ!!」

えらい騒ぎだ。

「・・・怒るなら、見なきゃいいのに・・・」

いつもは一番声がデカイ母が、
再び、小声でつぶやいたが、
無視だ!!!

そして、後半20分過ぎ!!
勢いに乗ってる山瀬が、
いいミドルを叩き込んだ~!!

「うおおおおおおおぉぉぉぉ~!!!」

初老の地味~な爺ぃと、
中年の地味~なオバサンの叫び声が、
深夜の住宅街に響き渡る。

気持ち悪い。

すでにうたた寝していた母が、
びっくりして飛びおきる。

「勝ったの?勝ったの?」

・・・引き分けました・・・

ふぅ・・・・

で、ようやく4歳甥の状況を聞くことができました。

熱や炎症はまだあるけど、
かなりよくなってきているみたいです。
べらべら喋ってるみたいです。

が、まだあんまり食べられないようです。

で、

よりにもよって、

「パスタが食べたい」

とぬかしておるらしい。

・・・・・・・・・・・・

パスタだとぉ!?

オバが4歳の時は、
「パスタ」
なんて言葉知らなかったぞ。

知ってるのは、
スパゲティと、
あと、マカロニだけだったぞ。

で、
それらを総称したパスタって言葉は、
知らなかったぞ。

私の母なんか、
アルデンテってものを知らんから、
いつも、スパゲティ茹で過ぎてたぞ。

私も、
さすがに母のスパゲティは、
いつも茹で過ぎだと思ってたぞ。

「これはスパゲティじゃねえ。
うどんだ。
フォークじゃなくて、箸をくれ」

と思ってたぞ。

そんな煮込みうどんみたいなスパゲティが、
お袋の味だぞ。

「パスタが食べたい」だとぉ!?

ふざけんじゃねえぞ!!

よくそこまで元気になった。
オバは、ちょっと涙が出た。

「オバちゃんは来ないの?」

と聞いてくれたらしい。

「オバちゃんは、今日はお仕事だって」

と母が答えると、

「なんでオバちゃんが、お仕事なんかしてるんですか?」

と質問されたらしい。

大人だからだよっ!!!!!

「オバちゃんなのに、お仕事なんかできるんですか?」

と、心配してくれたらしい。

・・・うん、お仕事はね、
・・・あんまりできない方だよ・・・

余計なお世話だっ!!!
放っとけやっ!!!

・・・・よく憎まれ口を叩けるくらい元気になってくれた。

オバちゃんは、
さらに涙目になっちゃったぞ。

週明けには、
オバが行ってやるから、
首を洗って、
待っとれや!!!
まもなく5歳の4歳甥!!

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2008年2月20日 (水)

あとちょっとで5歳

どんな芝居を作るか
ってことを考えてる時が、
一番楽しいともいうが、
一番苦しい。

「これだ!」
ってアイデアが出てない時は、
ほんと苦しい。

無理矢理プラス思考してみて、
「これから、
自分でも思ってもみなかった、
予想もつかなかったアイデアを思いつく時が来るなんて、
なんてドキドキわくわくなんだ!」
と思えば、
すごく楽しいが、
私は、基本マイナス思考だし、
どっちかってば正直、苦しい方がデカい。

頭が便秘っていうか、
吐きたくても吐けない時みたいな感じです。
胸がむかついて、
早く出してすっきりしたい状態です。

「考えるのやめよっと」ってことにして、
「気分転換気分転換♪」とか思ってても、

「で?
どーゆー芝居にすりゃいいんだ?」

ってことが頭にとり憑いて、離れないです。

で、
「考えよう」と思って、
「考える」だけ集中してやってみても、
大概、何も出ないです。

運がいい場合は、

「あ、こんなもんも作りたかった気がする・・・」

と、全然別なこと思いついちゃって、
そっちをやりたくなったりします。
それは、一応とっときます。
使えれば後で使います。

けど、
そーゆーのは、
もうちょっと突き詰めてみると、

「やっぱ、駄目じゃん」

になること多し、です。

100個思いついて、
一個使えたら、
かなりいい打率です。

まあ、割合的に言うと、
「考えるぞお!」と思って考えてる時より、
舞台観てたり、
本読んでたり、
映画とか観てたり、
誰かと全然別の話してたり、
ほかのことしてる時に思いつくことが多いです。

でも、サッカー観てる時だけは別。

サッカーは、サッカーに完全集中。

中国対日本あるし、
セルティック対バルセロナもあるし、
芝居についてなんか、
考えてる場合ではない。

日本・中国戦中に、
電話が掛かってきたが、
完全に話半分てか三分の一。
途中、日本のゴールが入って、
「よっしゃあ~っ!!」と叫んだ瞬間、
副審のフラッグがあがってて、
「オフサイドかよ!!」と怒鳴っていたので、
「試合終わってからまた掛ける」と言われた。

・・・ごめんなさい・・・・

試合途中で、
またも電話が掛かってきた。

「誰じゃい!!
あと、10分守りきるとこじゃねえか!!
ふざけんな!!」

と思ったら、
弟だった。
私以上のサッカー野郎の弟が、
なぜこの時間に電話してくるのだ!!

4歳甥が入院した。

4歳甥は、
生後三ヶ月の時、
川崎病で入院している。

川崎病で怖いのは、
心臓の冠状動脈が拡大したり瘤ができたりする症状だ。
患者のおよそ一割に、その症状が出るそうだ。

生後三ヶ月の甥の物凄く細い腕に、
点滴の針でできた痣が、
何個もあるのを見たら、
こっちの心臓が痛くなった。

が、私の心臓が痛くなろうが、
そんなことはどーでもいい。
勝手に痛くなってろ、だ。

甥の方が苦しい。
当たり前だ。

その時は幸い、
心臓への後遺症は残らず、
元気になった。

今回、高熱が続いて、
リンパが腫れて、
入院になった。

川崎病の疑いがまたもあるらしい。

川崎病の患者の8割は、
4歳以下だそうだ。

甥の誕生日は、
3月2日。

あと、11日で5歳だ。

ギリギリ、まだ4歳。

勿論、5歳になったからって、
川崎病にならないというわけじゃないが。

あと、ひとつ症状が出れば、
ほぼ川崎病と確定するらしい。
川崎病の症状が出揃うのは、
大体、発熱が始まってから4日だ。

明日、川崎病かどうかの診断が出る。

話を聞いて、
こっちの心臓が痛くなったが、
私の心臓なんか、
ほんと、いくらでも勝手に痛くなってろ!だ。

4歳甥と、
甥のママとパパの方が、
苦しい。

芝居についていい考えが出ないからって何だ!
日本代表選手がボール代わりに蹴られたからって何だ!

今願うのは、
甥が、
5歳の誕生日を、
病院のベッドじゃないところで、
むかえて欲しいということだけだ。

入院してる子や、
甥よりもっともっと苦しい状態の子は、
いくらでもいるだろう。
その子供たちや、
その親御さんたちは、
もっと辛い思いをしてるだろう。

けど、
私が心配できるのは、
4歳甥のことだけだ。

私が心配したからって何だ。

心配したからって何の役に立つ。

何もしてあげられない。
何もできない。

ほんと、
何もできない。

熱とリンパの腫れで、
何も食べられないらしい。

点滴がウザいから、
自分で抜いてしまって、
そのたび、
また刺される羽目になってるらしい。
そこは、まだ4歳だから、点滴の意味が判ってない。

私が心配してても、
邪魔になるだけで、
役には立たないし、
何の意味もない。

何もできない。

何もできることがない。

ほんとくやしい。

できることと言ったら、
甥の誕生日に、
甥がどこにいようと、
プレゼント持っていってやることくらいだ。
甥は別に嬉しくも何ともないだろうが。

嬉しくなかろーが邪魔だろーが、
押しかけてやるから、
待っているがいい!!
あと、ちょっとで5歳になる4歳甥!!

|

2008年1月 1日 (火)

くつしたの日

4歳甥に電話して、

「あけましておめでとうございます」

と、大人のオバらしく、
きわめて大人な挨拶をしてやったのだが、

「なにが、あけたんですか?」

と、いきなり質問で返された。

5回目の元旦なのだから、
親も、新年とか元旦とか教えとけ。
その半分以上は、
物心のついてない赤子だったかもしれないが。

私「年が明けたんだよ」

甥「としは、あけませんよ。
  あくのは、
  どあとか、まど、ですよ」

私「新しい年になったっていう意味なんだよ」

甥「あたらしいとし、じゃないですよ。
  なぜなら、ぼくはまだ4さいなのですから」

4歳甥は、自分の誕生日が、
新しい年の初めだと思っている。
物凄い天動説。
天上天下唯我独尊。
まあ、まだ4歳だから、致し方ないが。

私「かもしれないけど、
  今日から新しい年で、今日は元旦なんだよ」

甥「ちがいますよ」

私「違いませんよ。
  今日は間違いなく元旦だよ!
  2008年の最初の日なんだよ!!」

4歳相手に、私も大人気ないが、
大人としては、
正しい日本の常識を教えておくべきであろう。

甥「きょうは、くつしたのひ、ですよ」

私「何の日だって?」

甥「くつしたのひ、にきまってるじゃないですか」

私「くつしたの日、なの?
  で、それはどういう日なの?」

甥「さむいから、くつしたをはく、の、ひ、ですよ」

私「確かに寒いね。
  靴下、履いた方がいいかもね。
  でも、オバちゃんは、今は家にいるから、
  靴下、はいてないけど」

甥「だめですよ。
  くつしたのひなんだから、くつしたをはいてください!
  いますぐ、くつしたをはかないと、
  さむくてかぜをひきますよ!
  はきましたか?」

私は、家では、冬でも裸足だ。
基本的に、靴下履いてるのが、嫌いなのだ。

関係ないが、
ストッキングとかは、
もっと嫌いで、
ほぼ履かない。
なんか、太ももがかゆくなるからだ。

さらに関係ないが、
ファンデーションしてると、
顔の皮膚呼吸ができなくなる気がして、
苦しくなるので、
外に出る時もメイクなんてことはしない。

40過ぎのオバサンが、
スッピンで歩き回るのは、
それだけで、害毒だと言われる場合もあるが、
メイクしたからって、
綺麗になると限ったもんじゃなし。

メイクしたからって、
彼氏ができるという保証があるわけでもなし。
あるならやるが。

そんなことはどうでもよかった。

甥が言い張るので、
仕方ないから、靴下を出してきて履いた。

私「履きました」

甥「あたたかいですか?」

私「暖かいです」

甥「ふゆですからね。
  あたたかくしないとね。
  そして、きょうは、
  うわぎのひで、
  あたたかいぼうしのひで、
  てぶくろのひ、
  でもあるんですよ」

私「そんな日はないってば!!」

甥「ふゆだから、あるんです!!
  いますぐ、きてください!!」

それから、私は、
上着を着せられ、
暖かい帽子をかぶり、
手袋をする羽目になった。

電話だから、
別に嘘でいいんだけど、

「はい、着ました」

と嘘言うと、

「そんなにはやくきられるわけがありません。
うそつかないで、
ちゃんときてください!!」

と、甥に怒られる。

さらに、

「みぎてをいれてください。
ひだりてをいれてください。
いちばんうえのぼたんをしてください
とめましたか?」

と、いちいち命じられるし、
確認されるので、
本息で着た方が話が早い。

あれ、ホンイキって、
本息か?本意気か?
本息だった気がするが。
まあいいや。
普通、書かないし。
言うだけだし。

普段、私はいくら寒くても手袋しないので、
持ってないのだが、
手袋をしないと駄目だと言い張るので、
仕方ないから、
スノボ用のグローブを出してくる羽目になった。
手が動かしにくい。
てか、暑い。

ついでに、
マフラーの日じゃなかったはずなのだが、
マフラーもさせられた。

完全防寒だ。
家の中で。

甥「ちゃんときましたか?」

私「ちゃんと着ました。
  暑いです」

甥「これで、おばちゃんも、
  かぜをひかずに、
  おしょうがつを、すごせることでしょう」

・・・・・・・・・・・・

お正月、知ってるのか?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

騙されたのか?
4歳甥に?
新年早々???

・・・・いい年になりそうだ・・・・

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2007年12月14日 (金)

びわ畑にいたらしい

4歳甥は、
ママのお腹の中にいた時のことを、
記憶しているという。

人間、2歳くらいまでは、
胎内にいた時とか、
出産の瞬間とかの記憶があると、
噂には聞いたことがあるが、
本当に覚えている人に会ったのは初めてだ。

なので、

「どうだったの?どうだったの?」

と訊くと、

「せまくるしかったです」

と、
4歳甥は答えた。

「中にいた時は、暗かった?
出てくる途中は、苦しかった?
出てきたら、眩しかった?」

と、
矢継ぎ早に質問してみたら、
首をひねって、

またも、

「せまくるしかったです」

としか答えない。

今は、嘘話するのがマイブームな甥だから、
これが嘘なら、
どんどんいろんな破綻しそうな大嘘を答えるはずだが、

「せまくるしかったです」

としか言わないので、
なんか、
ほんとの記憶っぽい。

そっかあ・・・
せまくるしかったのかあ・・・

まあ、
狭苦しそうだなということは、
簡単に想像できるけど。

居心地が良かったから戻りたい、
というところではないらしい、
ってことは判った。

すると、甥が続けて言う。

甥「そのまえは、ですねえ・・・」

そのまえ?
そのまえって何だ?

甥「そのまえはねえ、
  びわばたけ、
  に、いたんですよ」

は?
そのまえって何?
びわ畑って何?

私「その前って?」

甥「せまくるしいの、まえ、ですよ」

私「甥は、びわ畑にいたの?」

甥「びわばたけの、
  びわのみのなかの、
  びわのたねのなかにいたんですよ」

私「誰が?」

甥「ぼくですよ」

私「いつ?」

甥「だから、せまくるしいのまえですよ」

私「それって・・・ 
  ママのお腹の中にいた、その前ってこと?」

甥「びわばたけの、びわのたねのなかにいたら、
  ままと、ぱぱが、きたんですよ」

私「え?は?何?」

私もさすがについていけない。

甥「でね、ぱぱのかおをみて、
  このひとが、ぱぱだ、
  とおもったんですよ」

私「えええええ~!?嘘~!?
  で、何?
  じゃあ、そのあと、
  ママとパパは、
  甥が種の中に入ってる、
  その、びわを取ったわけ!?」

甥「おぼえてないですよ。
  そのあとは、もう、
  せまくるしかったんですよ」

私「あのさ、じゃあさ、
  びわの種の中にいる時は、
  狭苦しくなかったの?」

私もなんか混乱していて、
質問が、的を外している。
そんなことを訊いてる場合じゃない。
てか、意味が判らない。

甥「たねのなかは、ぜんぜん、せまくるしくなかったです。
  そのあとが、なにしろ、せまくるしかったんですよ」

もしかして、やはり、
ママのお腹にいる時点よりも、
さらに、前の話をしているのか???
それは出来る前か????
出来る前の記憶があるのか????

甥の顔を見ると、
嘘話をしている時の顔ではない。
ほんとの記憶を話している顔だ。

まあ、確かに、
出来る前なら、
びわの種の中にいても、
せまくるしくないかもしれないが・・・・

その時、甥のパパが、
って、
それは、私の弟だが、
弟が叫んだ。

弟「じゃあ、パパを見て、
  パパの子になろうと思ったの!?」

パパは、
なんか感激して、泣きそうだ。

甥「なろうとおもったんじゃなくて、
  あ、ぱぱだな、
  って、わかったんですよ」

弟「パパを見て、
  パパを、パパに決めたんだね!?
  パパ見て、パパが決め手で、
  パパを、パパに決めたんだね!?」

早口言葉かよ。
弟は、涙目である。
てか、ほぼ泣いている。

弟は感涙で、
話にならなそうなので、
弟嫁に訊いてみた。

私「びわ畑に行ったことあるの?」

弟嫁「ないです」

ないのかあ・・・
じゃあ、生まれてきてからの思い出と、
混同してるわけじゃないんだあ・・・
マジかよ・・・

その間も、弟は感涙っぱなしだ。

弟「パパが良かったんだね。
  パパがいたから、
  うちの子に、パパの子になってくれたんだね!?」

いや、だからさ、
嘘かもしれないんだからさ、
泣かなくてもいいと思うぞ。

甥も、
なんでパパが泣いてるか判らないらしい。
きょとんとしている。

甥「たまたま、
  ぱぱとままが、きたんですよ。
  で、そのあとは、
  せまくるしかったんですよ」

甥は、
とにかく
「狭苦しかった」
ということを、
訴えたいらしい。

弟「そうかあ・・・パパが良かったんだね・・・」

だから、
そうは言ってないってば。
全然、聞いてないし。
しかも、マジで泣いているし。
パパ馬鹿炸裂だ。

今、4歳甥のパパママは、
「赤ちゃんは、どうやってできるのか」
と、息子に質問された場合に、
どう答えたらいいのかについて、
悩まないですむことは確かだ。

私は、しばらくしてから、
甥に訊いてみた。

私「あのさ、赤ちゃんてさ、
  どこから、
  ママのお腹の中に来るの?」

甥「びわばたけ、ですよ」

弟は、それ聞いて、
また泣いていた。
大馬鹿である。

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2007年12月 8日 (土)

地球墜落

4歳甥は、私のことを大人だと思っていない。
ある日、4歳甥から電話が掛かってきて、
いきなり、

「おばちゃんて、おとなじゃないですよね?」

と、訊かれた。

質問の意味が判らずに、

「え?」

と聞き返したら、

「おばちゃんは、おおきいけど、
おとな、じゃないですよね?
おおきい、こどもですよね?」

と、なんか知らんが必死に訊いてくる。
ある意味そうかも知れないが、
どう答えたらいいものかと思っていたら、
弟が電話を代わり、

「保育園で、家族の絵を描いて、
自分とパパとママと、
おじいちゃんとおばあちゃんと、
あと、おばちゃんを描いたんだけど、
おばちゃんのとこにだけ、
ひらがなで『こ』って書いてあるんだよ。
この『こ』は何?って訊いたら、
おばちゃんは、子供だから、
子供の子を書いたんだって言うんだよ」

と、解説してくれた。

保育園で張り出される家族の絵の、
おばらしき人の絵に、
わざわざ
「こ」
と、書いてしまい、
私が大きいけど、子供であると、
公に宣言してしまったからには、
私が大人だということになると、
嘘を書いてしまったことになるので、
4歳甥は、困るらしい。

そういう事情があるなら、
仕方がないので、
「大きいけど、子供だよ」
と答えておいた。

4歳甥は、心の底から、
ほっとしたように、

「ほーら、おばちゃんは、こどもなんですよ!!」

と、パパとママに向かって宣言していた。

嘘つきにならなくて、
安心したようだ。

てなわけで、
4歳甥的には、
私は、大きい子供だ。
だが、ほんとは、中高年な大人なので、
4歳甥に、クリスマスプレゼントを持っていってやった。

今持っていかないと、
「ウエディング・シンガー」の稽古が始まっちゃうから、
クリスマスには、ちょっと早いが、
仕方ない。

プレゼントは、
磁気で宙に浮いているという地球儀にした。
腐っても21世紀だ。
宙に浮く地球儀なんてものがある。
びっくりした。
私が欲しい。
なので、それにした。

浮かぶ地球儀のデカイ袋を持って、
4歳甥の家に行くと、
玄関で、いきなり4歳甥が、

「つりがしたいですか?」

と訊く。

したくないです。

「つりがしたいですよね?」

いや、だから、全然釣りはしたくないです。

「つりができるんですよ。
つりがしたいですよね。
つりしますよね?」

と、譲らない。

パパは、気を遣って、
「おばちゃん、今来たばっかりだから、
荷物置かないと。
あと、お茶も飲みたいし、ね」
と言うが、

「にもつは、ここにおきなさい。
すぐそこでつりができるんですよ!?
つりがしたいですよね!?
おちゃなんかのみたくないですよ」

飲みたいです。お茶。

寒空を歩いてきたのだが、
コートも脱がずに、
荷物は玄関先に置いて、
なんか知らんが、つりをすることになった。
どこで何を釣るのだ。

玄関の前に、小さい中庭みたいに、
土があるところがあり、
そこが花壇になってる。
そこにある、じょうろに、
木の枝がささっている。

「これがつりざおですよ。
さかなを、つるんですよ」

あきらかにじょうろをゆびさしている。

私「何が釣れるの?
  何がいるの?」

甥「さかながいるから、さかなをつるんですよ」

じょうろの中を見てみると、
水が入っているだけだ。

私「魚、どこにいるの?
  何もいないよ?」

甥「ここにあるちいさいのがむしなんですよ。
  まずこのむしを、つって、
  むしを、えさにして、さかなをつるんですよ」

釣りの段取りとしては正しい。
が、甥が指している小さいのは、
虫ではなくて、水に浮いてるチリかほこりである。

私「魚は?」

甥「これですよ!」

それは枯れ葉だ。

甥「つってくださいよ」

私「どうやって?」

甥「つりだから、つりざおでつるにきまってるでしょ。
  ぼくがやってみせますよ」

4歳甥は、じょうろの中に木の枝を突っ込んで、
浮いてる枯れ葉をひっかけて、
引っ張り出した。

甥「つれました!」

私「・・・釣れたね」

甥「これ、なんですか?
  なにがつれたんですか?」

何って・・・
枯れた木の葉っぱですが・・・

私「えーと、えーと、えーと、
  タツノオトシゴに似てるから、
  タツノオトシゴだと思う」

甥「せいかいです。
  たつのおとしごですよ」

枯れ葉ですが。

甥「たつのおとしごは、どこにすんでますか?」

私「海です」

甥「じゃあ、うみをつくりましょう」

甥は、いきなり、素手で地面を掘って、
海を作り始めた。

壮大だ。

甥「うみに、みずをいれてくださいよ!
  みずがないと、うみじゃないですよ!!」

おばは、海の水注ぎ係を任命された。
素手で海を掘る方じゃなくて、
まだよかったが、
そこから、
この寒いのに、
水遊びだ。
子供は風の子だが、
私は、大きい子供じゃなくて、
現実にはオバサンだ。
さすがに寒いぞ。

一時間くらいして、

「うみにしてはちいさいですね」

と海を作るという壮大な計画に飽きたので、
ようやく家に入れてもらえることになった。

家に入ると、

「さんたさんからの、ぷれぜんとだああああああぁぁぁぁぁ~!!!」

と、クリスマスラッピングされている、
私が持ってきた浮かぶ地球儀の入った袋に、
突進する。

その様子は、嬉しいが、

「サンタさんじゃなくて、オバからだよ」

と言えないところが、ちょっと悔しい。

地球儀が出てきた。

甥「ぼーるだあぁぁぁぁぁ~!!」

私「ボールじゃないんだよ。
  地球なんだよ」

甥「ちきゅうだあぁぁぁぁぁぁ~!!」

投げている。

やはりボールだと思っている。

私「これはね、この地球はね、なんと、浮くんだよ」

甥「うくわけがないじゃないですか。
  ういてるんじゃなくて、
  なげただけですよ」

そういう意味ではない。

台の上に乗せると、
磁気のために、確かに浮く。

「おおおおおおお~!!」

と、驚いているのは、
パパとママとオバだ。
大人たちだ。
台に固定されている地球儀しか見たことのない世代だ。

4歳甥は、

「ちきゅうだから、うくにきまってるじゃないですか」

と、驚きが少ない。

確かに浮いている上に、
ちょっと触ると、
くるくる回る。

「すっげええええ~!!」

と、驚いているのは、
やはり大人たちだ。

4歳甥は、

「ちきゅうは、まわっているんですよ。
あたりまえじゃないですか」

と、冷静だ。

びっくりしろよ!!!

4歳甥が訊く。

「で、ちきゅうは、
なんで、まわっているんですか?」

「もし、地球が回ってなかったら、
地球の片側は、昼っぱなしで、
もう片側は、夜っぱなしになっちゃうからだよ」

と、私は、答えた。
正確には「なぜ、地球が回っているのか」
の答えではない。
が、まあいいや。

すると、甥は考え込んでいる。

「ひるっぱなし・・・ですか・・・・
そうすると、ねるときがないですね。
おひるねをするしかないですね。
おひるねだけだと、こまりますね・・・」

そう言ったと思ったら、
いきなりものすごい勢いで、
地球を回し始めた。

あ、そんな勢いで回しちゃ駄目だ!!

ボコッ!!

という音がして、
軸がぶれた地球儀は、
磁気が乱れて、
台に落下した。
初めて、4歳甥が、ものすごくびっくりしている。

「ちきゅうが・・・
ついらくしました・・・」

Tikyuutuiraku これは、
地球が墜落した瞬間に、
とてつもなく驚いている、
4歳甥の写真。

4歳甥、メリークリスマスだぜ!!

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2007年11月27日 (火)

台風だよ台風なんだよなんで台風なんだよ!!!

台風だ。
マジで、台風だ。
しかも二つもだ。

父母が沖縄ツアーに行くので、
なんでか、
私もついて行くことになった。
最初は、温泉にでも行こうという話で、
「伊豆辺りかなあ・・・
温泉につかって、
マッサージして、
慢性肩こりを何とかしよう」
とか思ってたら、

いきなり、

「沖縄にしたから」

と言われた。

温泉はどうなったか!

「スパがあるのよ!オーシャンスパなのよ!!」

と、母が連呼している。

そうですか。
オーシャンスパですか。
まあいいか。
タラソテラピーとかになるのか。

そしたら、母、

「ところで、スパって何?」

マジで質問してきた。

スパってば、

「温泉施設のことを言います」

知らないで、連呼していたのか、母。

ところが、
台風だよ、台風。
23号、24号だよ。
何だよ、それ。
嵐だよ。

Zamami 座喜味城跡とかいうとこに連れていかれ、
大風大雨の中、
この城壁の上に、
登れと言われた。
この城壁の上からの眺望は、
素晴らしいのだそうだ。
上は大風、下も大風。

Tenraku こんなこと書いてある。

マジかよ。

通常の天候でも、
ずっとこうやって注意喚起してるってのに。

Jouhekiniidomuそして、必死で、
城壁に登って来ようとしている父母。
傘が飛ばされないように握り締めてる、
レインパーカーのオヤジが父、
その後ろで、
靴に泥水が入ったので、
何とかしようという、
無駄な努力のために、
屈んでるのが、母。
ちなみに、
その横で、呆然としている風情なのは、
「こんな嵐でこれからどう観光したらいいのか」
と悩んでいる、
新人さんらしき添乗員さん。
お気の毒だ。
台風は、添乗員さんのせいではないのだが。

で、父も母も、
観てねえじゃん。
城跡も何も。
足元注意と、
傘と自分が飛ばされないようにするので、
精一杯だ。
観光なのに、
観てないぞ、
何も。

で、父母が息も絶え絶えに登ってきたら、
ガイドさんが、

「お足元が危ないので、
怖い方は、無理して登らなくていいです」

遅えよ!

お足元が心もとないのに、
父母は登ってきて、
しかも、父ってば、ビデオとデジカメで、
暴風雨の吹き荒れる絶景を撮影しようとしている。
日本人的観光撮影好きも、
こうなると命がけだ!

だが、ここはまだ、
嵐の序章に過ぎなかった。

次に連れていかれた、
万座毛とかいう、
隆起サンゴの断崖は、
普段から、
天気が穏やかでも、
断崖だ。

天気がいい時には、
断崖の下に広がる、
エメラルドグリーンとコバルトブルーの縞模様になった海が、
ものすごく美しい絶景ポイントだ、
・・・そうだ。

Mannzamou1 今日はこんなだ。
なにせ、台風だ。

断崖に大波が砕け散っている凶暴な風景だ。
しかも、半端じゃない暴風が吹いていて、
歩かなくても、前に進む。
つまり、風で吹き飛んでる状態。
歩くことはしないで、
何やるかと言ったら、
断崖に落ちない方向に、
体を踏ん張るだけだ。
傘なんか差してたら、確実に、東シナ海の藻屑と消える。

Mannzamou2 「万人が座するに足る毛」だと、
(毛ってのは原っぱのことらしい)
琉球王の誰だかが、
賞賛した景勝地だそうだが、
今は、万人が落下するに足る状況だ。

なぜまたも、
命懸けで無理無理観光なのだ。

しかも、ここで、
この荒波暴風雨の只中の
断崖の上で、
集合記念写真を撮るそうだ。
何が何でも、スケジュールをこなすつもりか。
おそるべし、団体ツアー。

さすがに記念写真は中止になった。
理由は、カメラが暴風で固定できなくて、
写真がブレるからだそうだ。
観光客が吹っ飛ぶからではないらしい。

暴風に押されて、
万人が座するに足る毛を一周してたら、
もう笑えてきた。
あまりにも怖くて爆笑するしかない。
でもって、こんなに怖いのに、
必死で観光している自分が笑える。
こんな面白い経験は、
そうそうない。

暴風の中、私は一人で大爆笑だ。
が、爆笑してようが、
大声で歌ってようが、
周りの人には全然聞こえやしねえし、
誰も他人の状況に注意を払える状態じゃないから、
爆笑してても、変な目で見られることもない。
ていうか、
爆笑してる自分の声すら聞こえない。

夕方近く、
やっと、美ら海水族館に入れた。
暴風が吹かない。
大雨にも濡れない。
極楽である。

そして、
ジンベイザメが三頭と、
マンタが四匹見られる。
ここです。
私が来たかったのは、ここです!

Manntatojinnbeizamenosippoなんて癒される風景だ。

何とかまともな写真撮ろうとしたが、
暗いからシャッタースピードが遅くなって、
通り過ぎた後の尻尾しか写ってねえ。

左が、ジンベイザメの尻尾で、
右がマンタの尻尾だ。

まあいいや。
見てりゃいいんだ。
暴風雨に吹きさらされずに、
見られるだけで、天国じゃねえか。

あと、
島唄の歌詞にある、
「でいご~ぬはながさき~♪」
のでいごぬ花って、
どんな花だかまったく知らなかったのだが、
ガイドさんが、
「沖縄の花、でいごが咲いてます!
今、季節じゃないんですが、
一枝だけ咲いてます!」
と大風に負けないような大声で、
ガイドしてくれるので、
頑張って撮ってみた。

Deigoが、暴風のため、
ブレてこれが精一杯。

どんな花だよ。

どうも赤いらしいけど。
どんな花なんだか、
肉眼でもほとんど見えなかった。

この花が咲き、
風を呼び、嵐がきたのだ。
季節はずれに、咲いてんじゃねえよ!!

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