春日ギャグ融合
3月生まれの6歳甥が、
見た目は小さいけど、
小学生になって、
今、夏休みです。
甥パパママは、
軽井沢に行ってブルーベリー狩りをやらせたり、
伊東に行って海を見せたり、
大忙しです。
「今度の日曜は、
甥のスケジュールが開いてるから、
オバちゃんは今週来て」
と、スケジュールを決められてしまいました。
去年のはじめ頃は、
「そんなの関係ねえ!~はい、オッパッピー!」
を一連で何回もやらされた。
パパとママはやってくれないらしい。
今は、
はんにゃの「ずくだんずんぶんぐん」
(・・・であってます?
ずくだんぶんずんぐん?
ずぐだんずんぐんぶん?)
とかかなと思って、
「おばちゃんと、ずくだんずんぶんぐんゲームで勝負だ!」
と、ツカミをかましてみたら、
「それなんですか? しらないです」
と、冷たい口調で言われてしまった。
はんにゃじゃないのか・・・
やっぱオードリーかなと思って、
「トゥース!か~すが!」
を、大威張りでやってみたが、
ほぼ無視。
ぐだぐだの流れで、
「春日のここ、あいてますよ」
まで、とりあえずやってみた。
大サービスである。
てか、馬鹿みたいである。
すると、
「それ、ちがいますよ」
と駄目出しが出た。
「こうですよ!」
甥は、
猪木さんのような顔をして、
両手の親指と人差し指で四角をつくり、
「かすがのここ あいてますよ」
とお手本を見せてくれた。
それは・・・
甥よ、それは鬼瓦との融合だが、どうか。
さすがのオードリー春日も、
指でつくった四角の中には、
誰も入れないと思う。
ていうか、
すでに鬼瓦の自分の顔が入ってから、
あいてないしね。
「それは鬼瓦だよ」
と指摘してみるが、
甥は、
「かすがのここ あいてますよ」
と、猪木さんじゃなくて、
鬼瓦らしき顔のまま、
台詞を言いつづけ、
どーしても譲らない。
なぜ、
春日ギャグが融合してしまったかというと、
甥は、
本物のオードリーを見たことがないのである。
本物って言っても、
生の春日じゃないですよ。
テレビに映ってる春日を見たことがないのだ。
甥の家ではほぼテレビを見ない。
甥が「春日のギャグ」を見るのは、
学校のお友達がやってる「春日のギャグ」
なのである。
だから、
お友達が間違えたり、
勝手にアレンジしたりすると、
それが本流になってしまうのだ。
本物の春日を見たことがないから、
「おばちゃんちは、春日の家の近所なんだよ」
と意味のない自慢をしてみても、
「かずがに、いえは、ないです」
という冷たい反応しかない。
「オードリー春日」という、
実在の人間がいると思ってないので、
春日の家もへったくれもないのだ。
純粋にギャグとしてだけの存在だ。
ある意味凄い。
で、
鬼瓦で、
「かすがのここ あいてますよ」
という融合ギャグを延々やらされた。
おばちゃんはね、
歯に矯正器具が入ってるから、
鬼瓦、すげえやりにくいんですけど。
そんなことは言い訳にならない。
顎と唇が痛いです。
顎関節痛になるか顎が外れるか、
二つに一つのすんでのところで、
甥も飽きたのか、
「こんなばかみたいなことは、
いいかげんやめて、
らきゅーをやりましょう」
と言い出した。
らきゅーって何?
「らきゅーです」
と、
平べったい箱を持ってきた。
そこを開けると、
なんか知らないが、
破損したジグソーパズルのピースみたいな、
プラスチックの破片がたくさん入っている。
「これ何?」
「だから、らきゅーですってば!」
「らきゅーですか・・・」
「らきゅーです。
きょうりゅうをつくるので、
ぼくは、
あたまをつくるので、
おばちゃんは、
しっぽをつくってください」
「えーと・・・」
「しっぽというのは、
きょうりゅうの、
おしりについているものです」
「いや、それは知ってる。
恐竜を作るの?
らきゅーをやるんじゃないの?」
「だからぁ!
らきゅーできょうりゅうをつくるんです!!
そして、
おばちゃんは、
しっぽをつくるんです!!!!」
「この破片がらきゅーなわけ!?」
「はへんじゃなくて、
ぱーつです。
よんばんを、いっこさがしてください!」
「4番!?」
4番と言われても、
この無数の破片に番号がついてるとは思えない。
もたもたしていると、
「ほら、ここにあるじゃないですか!」
こんなのをくれた。
・・・・・・・・
これが、4番らしい。
・・・・・これが4番・・・・
4番て言われても、
判るわけねーだろーがよっ!!!
「もう、いっこ、よんばんをください」
「はい!!」
もう、形が判ったからには、
こっちのものだ。
私は、4番を探して甥に手渡した。
「どうぞ!4番です!!」
「ちがいますよ!!
これは、
さんばんですよ!!
よんばんをくださいっ!!!」 私が渡してしまったのは、
この3番だったらしい。
二つを比べて、
よく観察すると、
真ん中の棒の部分が、
3番の方が、
ちょっと細い。
4番と3番では、
全然違うらしい。
段々、少しずつ判ってきたが、
部品を組み合わせて、
立体を作るものらしい。
私が子供の頃は、
なんか立体を作るといったら、
レゴなわけだが、
らきゅーは、
三角と四角の板と、
あとは、七種類のジョイントで、
どんな形でもつくれるとかいうものらしい。
↑
どうも、
これの左下隅に小さくある、
プラキオサウルス的な奴を、
作りたいらしい。
もう、
3番と4番の区別がつかないオバサンにできることは、
部品を形ごとに、
分けてくことしかない。
次第に、
3番と4番の違いが判るようになる。
オバサンのスキルがあがった!
それにしても、
作るの早っ!!
訳の判らない部品を、
もうね、
なんかね、
迷いもなく、
どんどんつないでいくんですよ。
初めて作るらしいんだけど、
図面とか、
ちらっとしか見ない。
おそらく、
図面を読んでるわけじゃないと思う。
レインマンな人たちみたいに、
一瞬で全部を把握しちゃってるんだと思う。
天才じゃね?
ていうか、
天才なんじゃなくて、
幼児だからできることなんだと思うけど、
でも、
オバ馬鹿は、
天才じゃね???
と、感動した。
ものの5分くらいで恐竜完成。
感動したオバは、
写真を取ろうとした。
そしたら、
甥は、
「あ、ちょっとまってください。
きれいにかざりつけますから」
と、
完成作品を、
セッティングしてくれた。 それが、
この写真。
後ろに、
幕を吊ってくれたんだけど、
それは、
その辺に落ちてた、
タオルだったのね。
でもって、
甥の足が見切れてるのね。
これで、
甥的には、きちんと展示したつもり。
その辺が、
幼児。
恐竜が、
いろんな色のつぎはぎになってるのは、
部品が足りないから、
本の表紙にあるみたいに、
全部、白とかじゃつくれないのね。
それは、すごく残念らしい。
さらに、
これをぶち壊して、
表紙にデカく載ってる、
ティラノサウルスの、
頭部に取り掛かろうとする。
せっかく作ったのを、
あっという間に、
バラバラにする。
作ることに意味があるだけで、
作品を保存することは、
どーでもいいらしい。
次のを作るために、
部品が足りなければ、
何の迷いもなく、
プラキオサウルスは分解だ!!
なんか知らんが潔い。
が、
残念なことに、
見本にある色を無視しても、
ティラノサウルスの頭部を作るだけの部品は、
どうしても持ってないらしい。
「ちらのさうるすは・・・
ちらのさうるすのあたまは、
つくれません・・・
ちらのさうるすのあたまは
・・・あきらめましょう・・・」
断腸の思いで、
甥は諦めた。
本当に悔しそうだった。
そーゆー顔見ると、
買ってやりたくなっちゃうんだよなあ。
オバ馬鹿だから。
オバが帰ろうとすると、
甥が、
「さいごに、
かすが、
やってください!」
と言うので、
鬼瓦の顔で、
「春日のここ、あいてますよ」
と、必死に言うと、
「そんなとこに、
はいりたいひとは、
いないんですけどね」
と、正しいつっこみをした。
甥・・・
知っててやってるのか・・・?
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